第45話 学生大会初日

平穏な日々が過ぎていき、遂に学生大会の日になった。


学生大会は全部で3日間行われて、予選の中でも予選からスタートする。


何を言ってるかというと、学生大会予選というのは、学校の代表を決める校内大会である。


まほろのEクラスの話は今は置いておく事にして、学校にはA〜Dまでの4クラスが3学年合計12クラスある。


グループを数えると100を越えるので、1試合づつ行っていては時間がかかり過ぎる。


その為、初日は学年別でランダムに振り分けられた対戦カードで、学内の模擬戦用リングを全て使って作業のように2日目出場チームを5つの白星先取で1学年8グループまで絞る。


1クラス30人なので、4クラスで40グループ。


32グループがここで敗退する事になる。


この初日を勝ち抜いた8グループが3学年。合計24グループが2日目に進出し、2日目からは勝ち抜きトーナメント戦に変わり、観客も入る。


観客は、生徒の家族や里のお偉方、忍者バトル団体のスカウトなど多方面から来場する。


2日目にベスト4まで決まり、3日目は準決勝、決勝が行われる。

秋の本戦に選ばれるのは2グループの為、3位決定戦は行われない。



本日は予選の日であるが、この初日こそ、生徒達は1番気合いが入り、殺気立っている。


観客が入るのは2日目から。


つまりは2日目に出場しなければ、家族や里のお偉方、団体のスカウトなどの目にさえ入らないのだ。


特にまほろ達の一年生は、入学時の成績などクラス差があろうとほぼどんぐり乗せ比べなので、下のクラスであろうとやる気に満ちている。


学年が上がれば、その都度成績、実力が考慮されての進級となる為、Cクラス以下は諦めて棄権するなど対戦グループ数は減ったりするのだが、その分ABクラスの対戦が激化するので、熱量は余り変わらない。


そんな中、順調に5グループと戦って5つの白星を取ったまほろ、はやて、あずきのグループは、2日目に駒を進めたのだが、Aクラス以外の生徒達から陰口を言われていた。


この初日の対戦は、消化試合を行わない。

まほろのグループはまほろが大将、あずきが副将、はやてが先鋒の為、この初日の5戦全てではやてとあずきが2勝を取ってしまい、まほろの出る幕は無かった。


その為、まほろの実力を知らないAクラス以外の生徒達からは、はやてとあずきにおんぶに抱っこで2日目に駒を進めた卑怯者と陰口を叩かれていたのであった。


「ほんまムカつくなぁ、わざと聞こえるようにいっとんちゃう?」


はやては、耳に入ってくるまほろの悪口に、反応して怒りの声を上げた。


「仕方ないよ。私が戦ってないのは本当のことだしさ」


「明日になれば消化試合もあるわ。まほろちゃんが大将の意味も分かるだろうし、Eクラスだってバカにする人もいなくなると思うわ」


まほろとあずきが、はやてをなだめる。


「せやな。明日になってから驚いたらええねん! 顎外れて閉まらんようなっても知らんからな!」


まほろが気にしていない事で、はやても陰口を叩く生徒を笑い飛ばした。


はやめに2日目を決めた3人は、早めに帰宅して魔法の勉強をするのであった。


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