第39話 剣
休みの日にはやての母のお墓参りに行ってから数日。
はやては更にやる気を出して魔法の練習をしていた。
あずきは昨日からアイドルの仕事で留守にしている為、今日はまほろにマンツーマンで見てもらっている。
「あかん、《
今はやてが練習しているのは《Bullet》の魔法。
まほろが模擬戦でトギに使った魔法もこれである。
《Bullet》の魔法は組み合わせて使う単語の魔法の総称である。
《
例えば、《Bullet》を《
属性に意味を持たせる事が魔法の第一歩であり、忍術と魔法の違いはまほろの前世の知識による変化が加わっているかどうかである。
その為、銃と言う物を感覚的に知らないはやては《Bullet》の魔法に苦戦している。
単一魔法で基礎中の基礎の《Fire》などの属性魔法はあっという間に使えてしまったので知識の問題だとは思う。
火遁などで馴染みのあった属性魔法は覚えるのが早かったのだし、まほろの空飛ぶ姿を何度もイメージして憧れていた飛行魔法は覚える事ができた。
イメージできないと言うのが問題なのであろう。
「それじゃあさ、《Blade》の魔法からやってみようか?」
「《Bullet》の魔法もできてないのに次いってええんか?」
「はやてちゃんにはこっちの方が馴染み深いからやりやすいんじゃないかと思ってさ」
「馴染み深い?」
まほろの提案にはやては首を傾げる。《Blade》の単語だけではどうなるのか想像できないようだ。
「はやてちゃん、《Blade》はね、刀だよ。 《
まほろは説明をしながら、見本を見せるように炎の刀を創り出した。
「まほろちゃんそれ、特殊忍術!」
「ちがうよ、魔法だよ。己のチャクラではなく魔素によって作り出された似て非なる物!」
まほろはこう説明するが、理屈は同じである。
ただ、有限である自分のチャクラを使う場合の難易度と無限の魔素による試行の場合では難易度に雲泥の差はあるのだが。
「でも、弾丸って奴よりも刀のが分かりやすいし、
「別に火にこだわる必要もないよ。はやてちゃんは水とか風のが得意だったからそっちでも使えるし、知識さえあればこんなこともできるよ。《
まほろは炎の刀を消すと、今度は別の剣を創り出した。
氷でできたファンタジーで出て来そうな剣である。
その剣に、はやては見惚れていた。
しばらく見入った後、飛行魔法の時のようなキラキラした目をまほろに向けてはやては言った。
「めっちゃ綺麗や!私も、それできるようになりたいわ!」
自分の得意な水でも風でもなく、見知った刀でも無い。
はやては憧れの力で氷の剣にチャレンジする事を決めるのであった。
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