【トラック3】ステップ3 恋人同士のマッサージ♪

◆聞き手の部屋 トラック2の続き

 ※聞き手のセリフは補足的なイメージです

 テーブルを挟んでふたりが座っている


 //立ち位置:正面 声の距離:普通


「……ふう。なんとか最初の関門のお家カフェとあーんをクリアしましたね」

「では、お兄さん。次のステップに進みましょう」

「私があーんができたなんて、とても素晴らしいです。この流れに乗って、どんどんステップアップしていきましょう」

「次はさらにハードルが高いですよ」

「次の恋人ごっこは、ずばりマッサージです!」

「カップルのお家デートでは、マッサージが定番ですからね」

「(妄想に耽りながら)仲睦まじい男女がお互いに肌を求めてふれあう……ああ、なんて素晴らしいのでしょう」


 聞き手「言い方がいやらしい」


「い、いやらしい? そ、そんなことないです」

「マッサージは恋人同士のスキンシップとしても大切ですし、マッサージにはリラックス効果もあるんです」

「カップルが仲良くなるためには、かかせない大切なことです」

「ですから、私たちもマッサージをしてみましょう」


 聞き手「男の人に触れられるの?」


「……うっ、確かに、私はお父様以外に男の人に触ったことはありません」

「突き飛ばしてしまったことなら、何度もありますけど……」

「で、でも、それは男の人に慣れていないからで……だから、お兄さんに触れることで、ちょっとずつ慣れていければ、と……」


 聞き手「心配だな」


「だ、大丈夫です。お兄さんは他の男の人とは違いますから、絶対にマッサージしてみせます」

「お兄さんは、そのままじっとしててくださいね……私が後ろに回りますから」


 SE:足音が主人公の後ろに回る

 //立ち位置:後ろ 声の距離:近い


「こ、これが……男の人の背中……」

「こんなに間近で見たのは、初めてかもしれません……」

「(うっとりしたように)はぁ……とっても広いんですね……」

「ああ、ごめんなさい。見とれちゃいました……」

「(緊張しながら)で、では、マッサージを始めます……」

「まずは首から肩にかけて揉んでいきます……」

「(緊張を我慢しながら)ゆっくり……ゆっくり……もみもみ、もみもみ……」


 //立ち位置:左後ろ 声の距離:近い


「力かげんはいかがですか?」


 聞き手が「ちょうどいいよ」と答える


「気持ちいいですか? よかったです……」


 //立ち位置:後ろ 声の距離:近い


「もうちょっとマッサージしていきますね……」

「もみもみ……もみもみ……」

「男の人の肩って……こんなに筋肉質で固いんですね……」

「肩をマッサージするなんて、子どもの頃にお父様にした時以来です……」

「その時は、肩を叩くだけでしたけど……こんなに男の人の肩って固いんですね」

「はい、首から肩のマッサージが終わりました」

「では、今度は右腕から手にかけてマッサージしますね……」


 //立ち位置:右 声の距離:近い


「もみもみ……もみもみ……」

「はあ……これが男の人の手なんですね……とっても大きいです」

「これはマッサージするのも大変ですね……」


 聞き手「俺を触っても平気?」


「あっ、私、お兄さんの手を普通にマッサージしてました。男の人に触れるのは怖いはずなのに、お兄さんだと緊張はするけれど、ちゃんと触れるんです」

「なぜでしょう。他の男の人だと怖くて逃げちゃうのに……」

「とっても不思議です……」

「もう少し続けますね……」

「もみもみ……もみもみ……」

「はい、これで右手は終わりです。今度は左腕をマッサージしますね」


 //立ち位置:左 声の距離:近い


「もみもみ……もみもみ……」

「こちらもこってますね……」

「お勉強やお仕事を頑張ってるからなんでしょうね」

「でも、マッサージしてもらうのって、気持ちいいですよね……」

「誰かにふれてもらうとオキシトシンが分泌されるんですよ? オキトキシンは幸せホルモンといって、それが出るととても幸せな気分になるそうです」

「恋人とハグしたりキスをしたりしても出るそうですけど……こんな風にマッサージするだけでもオキトキシンが出て幸せな気分になるそうです」

「はぁ……やっぱり恋人がいるって幸せですね……」

「はい、終わりました」

「お兄さん、こっちを向いてください」


 //立ち位置:正面 声の距離:近い


「ふう……これでお兄さんのマッサージが終わりです……」

「つ、次は……私の番ですよね……」


 聞き手「無理しなくていいよ?」


「む、無理なんてしていません……」

「恋人になったらお互いにマッサージするものじゃないですか……」

「大丈夫です。思い切ってやっちゃってください」


 //立ち位置:右 声の距離:とても近い


「は、はい、まずは私の右手から……」

「んっ……ふっ……んん……(緊張している息づかい15秒ほど)」


 聞き手「もっとリラックスして」


「は、はい。リラックスするように頑張ってるんですけど、緊張のあまり力が入っちゃって……」


 聞き手「深呼吸して」


「し、深呼吸ですね……(ゆっくりと)すー……はー……すー……はー……」

「ちょ、ちょっとだけ落ち着いてきました……そのまま腕から肩のあたりをマッサージしてください」

「んっ……ふっ……んん……(緊張がだんだん解けてくる息づかい15秒ほど)」

「……はぁ……お兄さんの手、とってもやさしいです……お兄さんが気遣ってくださってるのがわかります……」

「んっ……ふっ……んん……(緊張がだんだん解けてくる息づかい15秒ほど)」

「はぁ……なんだか、だんだんリラックスしてきました……どんどん力が抜けていきます……」

「で、では、このまま左手もしていただけますか?」


 SE:乃愛が体勢を変える音

 乃愛は相手から見て左側を向いている

 //立ち位置:左 声の距離:とても近い


「で、では、また手からお願いします」

「んっ……ふっ……んん……(リラックスしている息づかい15秒ほど)」

「あっ、だんだん体がぽかぽかしてきました……」

「んっ……ふっ……んん……(リラックスしている息づかい15秒ほど)」

「んく……ちょっとくすぐったいです……」

「でも、お兄さんがやさしくしてくれたおかげでリラックスしてきました……」

「私にも今、オキトキシンが出てるんでしょうか……?」

「はぁ……ふっ……んん……(リラックスしている息づかい15秒ほど)」


 マッサージが終わる

 //立ち位置:正面 声の距離:近い


「はふぅ……ありがとうございました……すっかり力が抜けてしまいました……」

「きっとこれがオキトキシンの力なんですね……」

「やっぱり恋とは偉大です。恋愛をするだけで、健康になるんですから」

「私、必ず男の人に慣れて、素敵な人と恋人になってみせます」

「だから、お兄さん。協力してくださいね♪」

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