第4話 耳かき
「やっぱり男の子だね……私のよりずっとおっきなオムライスにしたのに、ぺろっと食べちゃったね。美味しかった? ……嬉しいなぁ。あ、そうだ。今日ちょっと考えたことがあるんだけど、こっち来てくれない?」
//移動。リビングにて。
「はい、じゃあここに横になって。膝枕……耳掃除、してあげる。別に汚れてるわけじゃないんだけど、したら喜んでくれるかなって」
「もしかして、私が耳かき出来るか、不安? 大丈夫。お父さんにしてあげたことあるから。それとも、私じゃ嫌かな……?」
//衣擦れの音。音の位置が変わる。
「はい、じゃあ私の太ももに頭乗せて。最初は右からね。ちょっと見にくいから、私のお腹に頭の後ろをくっつけて。――うん、上手。それじゃ、始めるね」
「あ、もし痛かったら言ってね」
//耳かき音10秒ほど
//さくらの吐息も入る
「痛くない? 大丈夫?」
「それなら良かった。続けるよ」
//耳かき音10秒ほど
//さくらの吐息も入る
「んっ……ゆっくり。かゆいところとか、ない?」
//耳かき音15秒ほど。
//さくらの吐息も入る
「できたよ。……仕上げはふわふわね。くすぐったいかもしれないけど、動くと危ないからいい子にしててね」
//梵天で掃除10秒ほど
「はい。じゃあ最後にゴミを飛ばすからね……ふぅ~」
//右耳に吐息を掛ける。10秒ほど
「おしまい。なぁに? くすぐったかったの?」
//笑う。
「今度は反対の耳ね。私の方に体を向けて? お腹に顔をくっつけて。苦しくない? 大丈夫?」
//衣擦れ。姿勢を反対向きに。
//さくらの笑い声。我慢できずに漏れる感じ。
「んっ……お腹に息が掛かると、ちょっとだけくすぐったいの。服越しだし、全然嫌じゃないから……本当に苦しくない? 良い匂いするって……ふふっ、それなら良かった」
「それじゃ、始めるからね」
//耳かき音10秒ほど
//さくらの吐息も入る
「危ないからしないけど、なんかいたずらしたくなってきちゃった」
「あっ、奥の方に大きいのがある」
//耳かき音10秒ほど
//さくらの吐息も入る
「んっ……んしょ……んんっ……取れたっ。こーら、動いちゃだめ。まだ終わってないからね」
//耳かき音15秒ほど。
//さくらの吐息も入る
「はい、こっちも綺麗になったよ。……仕上げはふわふわね。逃げないで。くすぐったいの我慢できたら、ご褒美あげるから」
//梵天で掃除10秒ほど
「はい。じゃあこっちもゴミを飛ばすよ……ふぅ~」
//右耳に吐息を掛ける。10秒ほど
「よくできました」
//含み笑い
「あむっ」
//耳を咥えられる。
//衣擦れの音。びっくりして逃げる。
「ごめんごめん。冗談のつもりだったんだけど、驚かせちゃったね。あんまりにも気持ちよさそうにしてたから、いたずらしたくなっちゃったんだ。……そんなに嫌、だったかな?」
「怒ってない? また耳掃除させてくれる?」
「……ありがと。じゃあ不公平だし、私の耳もはむってする? それとも」
//囁き声
「他にはむってしたいところがあるのかな? ご褒美の約束もしたし、してほしいことがあったら教えてね。あ、それから、耳かき頑張ったから私もご褒美がほしいなぁ、なんて」
//5秒ほど。
「本当にいい? 後からダメって言わない?」
//10秒ほど。
「それじゃ、ぎゅってして欲しいな。前からずーーーっと憧れてたんだ。小説とか映画で、恋人同士がよくするでしょ? あんな風にしてもらったら、きっとすっごく幸せだろうなって思って」
//沈黙。10秒ほど。
「ご、ごめん。嫌だったかな……調子に乗りすぎちゃったかも……えっ? 良いの? 無理してない? 迷惑だったら断って良いんだよ? ……ありがと。それじゃあ、お願いします」
//衣擦れの音。声が近くなる。
「あっ……おっきい。それにすごく温かい。何か包まれてるみたい。顔もすっごく近くてドキドキするね。私のドキドキ、聞こえちゃってない?」
//10秒ほど。
「もっとぎゅっとして。うん……力、強いね。なんか、守ってもらってるみたいですっごく安心する。それに、なんか落ち着く匂いがする。君の匂いなのかなぁ……えっ? 私からも? うーん、自分じゃわからないけど、シャンプーかなぁ……でも、良い匂いって言ってくれるなら嬉しいな」
//10秒ほど
「顔、真っ赤だね。私も多分真っ赤になってると思う。顔があっついもん。でも離さないからね。私もいーっぱいぎゅ~ってするからね」
//10秒ほど。
「んっ……んぅ……痛くない? 大丈夫? えっ、当たってるって……ふふっ。えっちなんだー? サキュバスだからかな。全然嫌じゃないし、もっと喜んでほしいって思っちゃう」
「ね。そろそろ、欲しくない? ほら、勉強も頑張ったし、耳かきでもいい子にできたから。約束だったでしょ?」
//耳元で囁く
「ご・ほ・う・び♡」
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