第2話 放課後
「おはよ。よく寝てたねぇ。はいこれ、荷物とお茶。もう放課後だしお腹減ったでしょ。よく寝てたみたいだし、私のせいで寝れなかったって言ってたから起こさなかったんだ」
//ビニール袋をガサガサする音
//起き上がったので彼女との位置関係が変わる
「あー、足が痺れちゃった。ずーっと待ってるの大変だったんだからね。荷物とお茶? これはお姉ちゃんにお願いして買ってきてもらったんだよ。あれ? 言ってなかった? 三年生の生徒会長だよ、お姉ちゃん」
「そりゃお姉ちゃんもサキュバスだけど……」
//ちょっと不満そうな声
「ねぇ。もしかして変な想像してない? 目の前に私がいるのに別の人のこと考えるの? さびしいんですけど……反省した? じゃあ私の目を見てね。他の人のことは考えないこと? いーい? 約束だからね」
「ほら、飲み物飲んで、しっかり目を覚まして。デートでしょ? えっ、だって二人でスタバに行くんだよ? デートでしょ。えへへ。頑張って半日枕をしてた甲斐があったなぁ」
//ペットボトルを開ける音。飲み物を飲む。
「ね。寝てる間、何か夢見たりとかした?」
「あ、そう。見なかったのかぁ……でも良い匂いがしてた? ありがと。すっごく気持ちよさそうに寝てたね。私も一緒に寝たかったもん。寝顔、可愛かったよ」
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「ありがと。本当に良かったの? 想ったより高かったんだけど……誕生日だから? ふふっ、知らなかったのにねー。まぁでも優しいさくらちゃんは許してあげましょう。来年は、きちんと覚えててね?」
//ややタメ。
「ありがとね。君に祝ってもらえて、本当にうれしい」
「でも、君はコーヒーだけで良かったの? ブラックなんてよく飲めるねぇ……」
//食事。ケーキを食べる。
//咀嚼音。
「んっ、おいひ……ね、一口食べる? せっかくのデートだし、はい、あーん……なんで顔を背けるのよ。そんなにいや?」
「間接キスって、わざわざ言わないでよ。真っ赤な顔で言われたら私まで恥ずかしくなっちゃうじゃん。でもだーめ、やめませんー。はい、あーん。食べてくれるまでやめないからね」
//食べる。咀嚼音。
「よくできました。どう? 美味しい? じゃあ、次は私にあーんして? はい、フォーク」
//10秒ほど。
「……もう。どうしたの? 口開けて待ってるだけじゃ、私がばかみたいじゃない。私もしたんだし、君もしてよ。ね?」
//チュパ音。咀嚼。
「ん、美味し……えっ、クリームがついてる? どこ? 見えないから君にとってほしいなぁ。舐めとってくれても良いんだよ?」
//我慢しきれず笑いが漏れる感じ
「ごめんごめん。からかいすぎたね。でも、君になら嫌じゃないのは本当だよ。お詫びにもう一口食べる? やめとく? ……じゃあ次は飲み物ね。はい、どうぞ」
//飲む
「本当に真っ赤ね……そんなに恥ずかしい?」
「え? キャラ違いすぎって? そりゃそうよ。昨日までは真面目な委員長だったけど、今はサキュバスだもん。ましてや」
//タメ。耳元で囁くように
「君が徹夜したせいで昨日はおあずけだったんだよ?」
//スプーンを置き、代わりに飲み物を取る。
//飲み物を吸う音。
「何よ。ストロー……? 間接キス? ふーん、意識してくれてるんだ。君だったら間接じゃなくても良いんだよ? 別に人が見てても良いじゃん。キスくらい」
//しばらく食事の風景
「あー、美味しかった。ご馳走様。遅くなっちゃったしそろそろ帰ろっか? えっ、買い物って……今日お母さんいないの? 夕飯どうするのよ? もやしって……もしかして、私が奢らせちゃったせい? ……そだ、ちょっと待ってて」
//スマホを操作。どこかに電話を掛けるさくら。
「あ、ママ。うん、そう、昨日の人………………あの、さ。晩御飯がないみたいなんだけど、お夕飯……うん、そう。作ってあげたいの。うん、大丈夫。うん、ありがと」
//スマホを操作、通話を切ってポケットにしまう。
「夕飯、作りにいくね! 何か食べたいもののリクエストある? 結構自信あるんだよ」
「オムライスとかカレーとか、食べたいもの教えて。……えっ? 私の得意料理でいいの? うーん、それじゃ、特製チキンライスのとろとろオムライス、なんてどう?」
「頑張ってつくるね。楽しみにしてて」
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