第3話 新しい青春の予感??
今日から新しい学校に登校します。
ああ、やっぱり緊張するなあ。私の中では新しい環境の期待と恐怖が渦巻いている。美蓮ちゃんみたいに関係を壊してしまうのがとても怖い。
やっぱ不登校の方が良かったのかなあ。でももう転校したし、それは親に申し訳ない。
「よし行くか」
10mほど後ろの壁からから顔だけ出して私を見ている二人もいるし、うじうじしていられないや。
全く、あの二人は本当に気づかれていないとでも思っているのかな?
流石に学校までついてくることはないと思うけど、早歩きで離れよう。
昨日覚えた道を通って20分ほど歩くと、そこには城のような建物があった。
「あはは、校舎を見るのは2回目だけど、やっぱりインパクトがすごいなあ」
そして、この城の至る所から無邪気で甘いソプラノとアルトが聞こえてくる。
そう、何を隠そう、ここは野郎は立ち入り禁止の女子中学校なのだ。
私がこれから通うことになった
思い当たる節としてはお父さんしかいないのだが、これ以上考えたら何か良くないと勘が言っているので、この話は終わりにしよう。
私は周りを見てみる。
腕を絡ませて一緒に登校している女子生徒たちがちらほら見える。
やっぱり女子校って百合気のある子ばかりなのかな?もしそうだとしたらいいなあ。
そしてここで運命の出会いをするのだ……なんてね!
そんな感じでうかうかしていた私のほっぺたをつねってやりたい。
「あいたっ」
そう、私はこれからっていう時に転んでしまった。しかも石もかりんとうも、何もないところで。頭から。
うう、周りから生暖かい視線を感じるよお。こんなの生き恥だ!っく、ころせ!!
「あ、あのう……大丈夫ですか?」
立ち上がれずにただ赤面していた私に少し癖毛のあるセミロングがよく似合う天使様が手を差し出してくれた。
「天使様……」
「え?」
まさか死因が何もないところでの転倒になるなんて。お母さん、お父さん、私の先立つ不孝をお許しください。
ああこれから私の青春が始まるっていうのに。つくづく私の運はついてないなあ。
でも、最期に可愛い天使様に向かいにきてもらえたから、良しとしよう。
「可愛い……」
「か、可愛いって……何言ってるんですか?///」
天使様は両手を顔にあてて身を捩っている。そして顔はどこか赤い。
ああ、目の前の天使様はルックスだけでなくその一挙一足までが愛おしい。
なんてことだ、こんな可愛い生物がいるなんて。これは、他の誰かに取られる前に私がお持ち帰りするしかない!
なんだか周りに人が集まってきているような気がする。
はっ!みんなこの天使様を狙っているのね!そうはさせないっ、わたしがこのまま家までおもt「早く行きますよ!」
そう言って天使様は私をお持ち帰りした。
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