第376話 物騒な仲間たち



 デートの一件から、この惑星で開発する品々を宇宙軍のみんなと相談した。


 靴のことはもちろんのこと、衣料品、化粧品、それに簡易な医薬品。夜間照明に警備セキュリティシステム、それから馬車に代わる移動の足。開発すべき物は多い。


「乳液はマストよ! 一番に開発して頂戴! それとスパ! 美容と健康は大切」ぶっ込んでくるエレナ事務官。


「マッサージチェア」無言の圧力で意見を通そうとするエメリッヒ。


「パパからの愛♪」話にならない妻ホエルン。


「ブービートラップ用の高性能爆弾とワイヤー」物騒なリブ。


「製麺機と扇風機」中華料理ひと筋のロウシェ伍長。


「やっぱあれだろう大人の玩具」わけのわからないホリンズワース。


「一撃必中でどんな奴でも殺せる武器」気のせいか病んでいるカレン少佐。


「執筆用の機械一式、タイピングマシンよりも高性能の」作家志望のリュール。


「ウチは実弾バレット式の狙撃銃。あと普段づかいの拳銃」意外と物騒なブリジット。


「愛がOKなら嫁くれ、嫁!」影が薄い割に主張の激しカマロ。


「医療機器。人工心肺と献血用の採血機械、可能であればウィルス培養設備と……」相変わらずブレないマッシモさん。


 とまあ、いろいろ要望が出てきた。


 とりあえず物騒な連中にはエレナ事務官から武器が支給された。事務官が惑星に降り立った小型艦にあった武器だ。

 物騒な連中は武器を受け取るなり、揃って金属に頬ずりしている。


 コイツらやべぇ奴だ。


 エレナ事務官も同じような感想だったらしく、ここにいる仲間同士で殺し合わないよう仲間に対してだけ作動するセキュリティロックをかけておいたとのこと。

 さすがは帝室令嬢。すでに手を打ってあるわけだ。


 余談ではあるが、ホエルンには隠れて一日デートを約束した。カマロには貴族令嬢を紹介したが、その翌日、顔に手形をつけて黄昏れているのを発見した。


 何をどうすれば一日で破局するのだろう?


 気にはなったが、そっとしておくことにした。心の傷に触れない配慮は大事。


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