第7話 卒業式

 1年後、とある1年生の教室にて。


「お、やっと来たね、先生」


「寂しい? ねえ寂しい? 大好きなわたしが卒業しちゃって寂しい?」


「はーい嘘でーす。さっきの卒業式、先生泣いてましたよね? ちゃんと見えてましたよ?」


「へへ。ばーか」


「卒業生代表の挨拶、みんな驚いてたなー」


「だって、わたしのまんまで喋るんだもん。知らない人はそりゃ驚くよね。へへ」


「え。なに急に改まっちゃって……」


「そっか、うん」


「……待たせちゃって、ごめんね」


「それと、ありがとう。ずっと待っててくれて」


「……ねえ、先生?」


「こっち、見て?」


「へへ、これ、想像よりも照れるな」


「えーっと、こほん」


「先生」


「こちらこそ、まだまだ未熟なわたくしですが、先生のお側にいさせてください」


「そ・し・て」


「わたしも、ずっとあなたのことが大好きでした。今までも、これから先も、ずっと大好きです」


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