第2話前回の事件の解明

「犯人は、この三人の中にいる!」

と、大塚探偵は断言した。

黒井川警部は、殺人事件とは断定したが犯人はまだ理解できない。

三人は顔色が悪かった。

「犯人は僕たちの誰かなんですか?」

大地が尋ねると、大塚探偵は、

「これは、自殺に偽装した殺人事件だよ。あの足跡を見なさい」

「清水の足跡だけですよ!誰も、あのイチョウの木に近づいた足跡がないじゃないですか?」

大塚ははぁ〜とため息をついて、

「10cmも積もる雪で、死後5時間ほど経った遺体の近くの足跡が残るはずがない。犯人は、わざと足跡を残したんですよ」

「でも、どうやって?」

中谷が尋ねた。

「融雪剤ですよ!」

「融雪剤?この、コテージには融雪剤はありませんよ!探偵さん」

川口が興奮した口調で言い放つ。

「融雪剤ってのは、塩なんです。昨夜、タイの塩がま焼きが出たそうですな?キッチンの塩の袋とテーブルにカマ焼きの残りがあります」

「大塚さん、そういう事なら犯人が自ずと浮き上がりますね。清水さんとほぼ同じサイズの足跡と塩を準備した人間」

黒井川警部は、話を詰めた。


「そうです、この事件の犯人は、中谷さん!あんただ!」

大塚探偵は中谷を指差した。

レスリングで鍛えたれた女性は人間1人担いで、パイプ椅子を運ぶのは難しいことではない。

また、雪の上を深く踏み込んで歩いた形跡の靴が濡れているのも、何よりの証拠。


「アハハハ。バレちゃった。殺したのは私。だって、あの子私の恋人奪ったんだから」

県警が到着すると、中谷はパトカーに乗り連行された。


したがって、犯人は中谷。足跡の謎は融雪剤代わりの塩が正解でした。

次回は、土曜日、夜8時。

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