第41話 アテリカ攻防戦②

西暦2027(令和9)年2月11日 エラノス 航空自衛隊エラノス基地


「グリフィン1、クリアフォー、テイクオフ」


 コールサインを名乗ると同時に、1機の戦闘機が宙に舞う。もう一つの滑走路からは2機目が離陸し、2機は上空で並ぶ。


 アテリカより送られてきた救援要請に対し、総合庁舎の司令部は援軍の派遣を決定。空挺戦力の増強のために新編された第2空挺団の1個中隊と、航空自衛隊の第10航空団に戦闘機部隊を派遣する事を決定。相当な規模の援軍で支援する事となった。


 10分後、上空には4機のF-16V〈ファイティングファルコン〉戦闘機と4機のF-15E〈ストライクイーグル〉戦闘爆撃機、そして1個中隊を載せた4機の〈C-2〉輸送機が展開。一路北へ向かい始めた。


 さらに10分後、12機はアテリカ上空に到達。そして侵攻を始めている魔王軍に対して攻撃を始める。〈ストライクイーグル〉の胴体パイロンから227キロ航空爆弾が投下され、戦車と装甲車を複数破壊。敵も対空射撃で抗うも、今度はLJDAMレーザー誘導爆弾による精密爆撃が襲い掛かり、自走対空機関砲を正確に破壊する。


 他方で〈ファイティングファルコン〉は敵の攻撃ヘリコプターに対して空対空ミサイルを放ち、一方的に撃墜していく。そうして初撃を挫いていく中、別地点の平野には空挺隊員が軽装甲機動車や高機動車と共にパラシュートで降下していた。特に高機動車は荷台に105ミリ軽榴弾砲を積んだ自走砲タイプであり、直ちに火力支援を開始。軽装甲機動車も装甲車から降車して市街地へ侵入しようとしている敵兵に吶喊し、重機関銃による猛攻を浴びせていく。


「助かった…」


 城壁の一角にて、米田はそう呟いた。

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