第39話 賢者との会談

西暦2027(令和9)年1月10日 日本国東京都


「どうも初めまして、この国の指導者よ」


 会議室にて、笹穂状の耳を持つ女性はそう言いながら、伊沢に目を合わせる。


「私の名は賢者フェリオ。200年より前から、貴方がたが特別地域と呼んでいる世界を見守る者です」


「では最初に…此度の異変全てに関わっているのは、魔王軍です。何故なら、貴国に次元を超えた通路を生み出したのが魔王だからです」


「…!?」


 伊沢は驚く。フェリオは言葉を続ける。


「エラノスにて異世界と繋ぐ門を開いたのは、件の魔法を知る魔王の配下です。その目論見は分かりませんでしたが…恐らくラティニアが貴国との戦争で痛手を負う事を望んでいたのだろう」


「…で、私達はこれに対して、どの様に対策すればいいのか?」


「…『門』の開閉手段は、魔力を持たぬ貴方がたには出来ないでしょう。が、閉じる事が出来たとしても、再び開かれる時が来てしまう。よって、制御方法を知る必要があります」

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