第34話 露西亜動く
西暦2027(令和9)年1月5日 ロシア連邦ウラジオストック
「諸君、我々は動く時を迎えた」
ウラジオストックの太平洋艦隊司令部にて、艦隊指揮官は艦長一同に向けて言う。それに緊張感が満ちる。
「すでに我らは強固な軍事力を手に入れた。忌々しき日本に鉄槌を下している友軍を助け、アメリカの傀儡国家を滅ぼす時は今である」
提督の言葉に一同は頷く。冷戦以降、戦力が大幅に低下したとはいえ、地下資源を元手にした経済再建により、10隻程度ながら新造艦を建造・配備出来ていた。そして現在、巡洋艦1隻、駆逐艦6隻、フリゲート艦6隻、潜水艦28隻を有する沿岸警備艦隊となっていた。
そして現在、新たにフリゲート艦6隻とコルベット艦12隻が味方となっている。これを果たして放置できようか。すでに参加者の大半は幻想にかかっていた。『偉大なるロシアの再興』という幻想に。
「陸軍と空軍も、すでに行動を開始している。生意気な極東の猿共に、我ら偉大なるスラブ民族の力を見せつけるのだ!」
斯くして、ロシアは動く事となった。それも日本にとって最悪の方向へと。
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