第19話 出現
西暦2026(令和8)年8月18日
その日、帝国西部に面する小国は、悪意に呑まれた。
「進めぇーっ!」
命令一過、奇妙な鎧を身に纏ったゴブリンとオークの集団が、現地住民にとって見慣れぬ武器を持って攻めてくる。そしてその怪異の集団は、一斉に攻撃を始めた。
「た、助け―」
「嫌ぁぁぁぁぁ…!」
悲鳴と絶叫が村落に木霊し、直ちに領主が兵を差し向ける。だが兵士達も住民の後を追う事となった。奇怪な怪物は火を噴き、数人まとめて吹き飛ばす。その一撃は建物すらも破壊し、多くの人々を恐怖させた。
「何だ、あの怪異どもは!?」
その問いに答えられる者はいない。その全てが始めて見る様な代物であり、対策を練る暇もなかったからだ。
斯くして、一つの国が数日で呑まれた。そしてこの知らせは、飛竜を用いた早馬にて帝国そのものにも知らされる事となったのである。
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