第18話

私は思っている。

一線を越える事は、とても簡単だ。

反対に

一線を越えない事も、とても簡単だ。


越えない為にどうすればいいか。

自分がされたら嫌なのか。

それを一瞬、確認するだけである。

男ならどうだろう?

Hな動画をニヤニヤしながら鑑賞する自分。そんな自分をずっと他人に見られているのはどうか。

女ならどうだろう?

好きな男とホテルに入って出てくる自分。

そんな自分をずっと他人に見られているのはどうか。

たったそれだけの話だと思う。


この時代。

何かしくじった時も、何か良い事が起こった時も、報じられる事はとてもオーバーだ。


神対応。

たまに、その言葉と現実に違和感を持つこともある。

今まで当たり前に出来ていた事。

それで普通だった事。

それが出来なくなっている人間が単に増えただけではないかと思う事もある。

褒めてるのか?

それとも、そんな事も出来なくなったと貶しているのか。


お前が職を無くす。

お前の家族が職を無くす。

お前の家庭で喧嘩が増える。

お前の子供がいじめられる。


この犯罪に関わったのなら、それは全部お前のせいだ。

それを私と母のせいにしなかったか?

「あの人達が、嘘ばっかりつくから。」

「あいつらが、警察、警察と言うから。」

そんな無責任な言葉。

口に出した事はないだろうか?

お前を惑わしているとでも言いたいのか?

警察に言ったから言ったと言っているだけである。

心配しているのか?

じゃあ、なぜしたのか?

お前の無責任な言葉。

それも私には迷惑だった。

お前の連れは、お前の話しか聞けない。

お前が嘘をつけば、その話しか知らない。


私を見る目。

ニヤニヤした、余裕の目。

それが終わったと思えば、次は睨みつける、イライラした目を見せ始める。

そんな人間と連れだって歩くお前は、大抵そわそわ落ち着かない。


面と向かって

「ムカつく。」

そう、言ってきた女がいる。

その女が今、同じ事を言いに来れるだろうか?

この女が嘘つきなのか、この女の近くに大嘘つきがいるのか、それは定かではない。

だが、この女ごときが「ムカつく。」と言えるのなら、私と母は、数十億回ムカつくと言っても許される。

お前には分かっていない事がある。

お前が誰かを使って37才の私に威嚇させたところで何も変わらない。

それどころか、その人も道連れに墜ちていく。ずっと深く、光が見えないところまで。


ずっと気になっていた事がある。

ずっと不快だった事がある。

ポストにその日配達されるものが届かない。

相手先にも届かない。

不必要な訪問のインターホンが鳴る。

そんな事が度々あった。

お前に心当たりはないか?

お前はこういう事を望んでいたのか?

お前の連れがお前の話を信じて、そして、私と母を睨みつけて威嚇してくれる。

何か悪いことをしてくれる。

結果、お前に良くなったのか?


私が言ったのは交番ではない。

ずっと上の方だ。

だから私はとても悩んだ。

その行動は大きな行動だと認識していたから。

悩んで悩んで、耐えれるものなら耐えようと毎日過ごしていた。

なぜなら大抵の人間に、こんな事は起こらない。

お前のように。

お前の毎日のように。

そんな毎日が戻ってくるのなら我慢しようと。

しかし、いくら待ってもお前が手を緩める事はなかった。

人数も減るどころか増え続ける。

これ以上私と母では耐えきれないと思った時私は連絡をする。

上は、私の切羽詰まった状態をすぐに察してくれた。

そんな人がいる。

そんな人の事を公に出来ないのが残念だ。

仕事を勤勉にしている人。

自分の大事な役割を果たしている人。

だが、上から下に枝分かれするに従って、その人の功績は薄れていった。

やはりあの時、見せしめを作るべきではなかったか?

1人ではない人間が、後悔している。

そんな気がする。


ショッピングモールの行き帰り、交通事故も沢山起きた。

倒れたバイク。

近くに座り込む奴。

ガードレールに花が添えられているのも見た。

その人はどうして事故にあったのだろう?

必死で連絡をしていたのだろうか?

連絡をもらって家から飛び出したのだろうか?

お前はどう思う?

お前の方が分かるのではないか?


お前のせいでなければいいな。

言い訳しようと提案したお前のせい。

そうでなければいいな。

どうであれ、お前の言い訳は人を殺す。

私は分かっていた。

なぜなら、お前は私と母を殺そうとしたから。

違う年齢、デマ。

行く場所、行く場所の連絡。

どこに行っても生きれないように。

お前がした事はそういう事だ。

交代の時が来た。

本当の悪人に。

どこに行っても生きれないように。

お前になった。

お前がなった。


添えられた花を見て、思い出す。

私と母は、ずっと父の墓参りに行けていない。


お前に聞きたい。

何を躊躇しているのか?

デマを修正する。

何が難しいのか?

口で言っただけか?

違う。

お前はスマホを最大限に利用した。

なら、スマホがやってくれる。

お前より正確に。

デマを送った奴に、修正した事を流すだけ。

何が難しいのか?

ボタンを押す、それだけ。

あんなにボタンを押せたのに。

出来ないわけが無い。

相手が死んでいない限り、確実に流せる。

何千人何万人でもだ。


私は出来るだけ同じものを身に付けている。

写真が流されている以上、居場所も流されている以上、それを利用するしかない。

お前がそれにデマの修正を乗せて流せば良かった。

デマは流すのに、真実は流さない。

おかしい話。

本当は逆だ。

真実を流し、デマは流さない。

これが本当だ。

それなのに、お前は絶対にしなかった。

それで元通りになっていると言えるのか?

私と母が、被害に遭う前より生きやすくなっていると言えるのか?

やっぱりお前は舐めている。

やっぱりお前は卑怯者だ。


何を恐れているのか?

お前はずっと私を見てきた。

嘘つきではない人が嘘つきだと言われ続けた。

お前は本当の嘘つきだ。

言われたところで何が恐いのか。

開き直って言えばいい。

「嘘つきで何が悪い?」

それだけだ。

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