第8話

私はずっと待ってやった。

警察に言う前も、言ってから今日までも。


私は待ってやった。

お前が私の年齢を流すまで。

デマを全員に修正するまで。

お前が手を出さなければこんな事で私の時間を潰す事にはならなかった。


そしてその待ち続けた私にひっついてきたもの。


家の周囲をグルグル回る車。

出発と同時に私の車を取り囲む渋滞。

自分都合のインターホンの呼び出し。

行く場所、行く場所に掛かってくる問い合わせの電話の着信。


私に、何か良いことはあっただろうか?

どれもこれも不必要で、被害に遭う前はなかった。

ただ私の時間を潰しているだけ。

助かりたい?

笑わせるな。


犯罪の裏には大抵、金が絡んでいるという。


私も想像する。

もし、嘘を付いたか付いてないか、その揉め事を1つやってのけて、それだけで金が入るのなら、私と母のネタをいつまでも手放さないのも理解できる気がする。


どうなのか?

お前は金儲けしているのか?

金儲けの為に私と母から離れないのか?


そして、どうだったか?

私には金が流れたか?


それはこの人に聞きたい。

好んでATMで待ち伏せするおばさん。

あなたはどうして、わざわざその日を選んでATMに来たのか。私が分かってなかったとでも思うのか。


そして、これはお前に聞く。

この件で、嘘をつかれて揉めるのはどうしてか?


私に手を出していなければ、私が警察に言おうが、何処に言おうが困ることはない。


だとしたら、嘘をつかれて揉めるのは、相当手を出したという証拠になる。


そんな奴が、誰かにキレる?

そんな奴が、金儲けしている?

そんな奴を私が許すだろうか?


待ってもらっている。そんな事、考えもしない奴もいる。

待ってもらっている。分かっているのにほっておいた奴もいる。

でも、絶対に外してはいけない事があった。


それは、良いことがないと待つ意味はないという事。

私にそう判断されたら、終わりだという事。


私にとって良いこと。

それは、被害に遭う前よりも生きやすくなる事。

無駄にした時間を取り戻す位に生きやすくなる事。

この人達に一生手を出す事はあってはいけないと全員が分かること。

それにはデマの修正が必須条件だった。

なのにお前は、そんな大切な事を分かっていなかった。

私はこういう時に涙が出る。

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