第4話
あいつはまだ小説を更新しない。
そしてあきらも連絡をよこさない。
オレは毎日イライラしていた。
誰かに電話しようか?そうも思った。
が、やめた。
オレの頭の中はあいつらの事でいっぱいだ。
オレが何したって言うんだよ。
あいつらに何をしたか、思い浮かべる前にスマホに知らせが入る。
やった!あきらだ。と取ったスマホにはいつもの表示。瞬時に体が動く。
あいつらが家を出た。
あと20分後に着くから出ないと。脱ぎっぱなしのTシャツを急いで頭にかぶった途端、吐きそうになった。これがオレたちのやった事だと脳みそに突っ込まれた。
それでもオレは考えないように努める。
大丈夫、大丈夫。いつもの事だ。いつも通りにやってたらいい。
それでも今日は迷いがあった。本当にこれで助かるのか?その迷いが、オレの手をうまく動かさない。鍵が落ちる、部屋のドアに服が引っかかる。
今日はやめだ。部屋に戻ったオレはベッドに潜り込む。
そもそも最初から、オレの体は正直に反応してた。警察に言った。その言葉だけで泣けてきた。
それでも大丈夫なんだよな?
オレたちは、警察に言われない為に?いや、警察に言われてもどうにかなるように?
いや、、なんだ?
とにかく、あいつらを毎日見張ってたらどうにかなるって、そういう事じゃなかったのか?
オレたちがやった事。ちょっとしたお遊びだろ?ちょっとした嫌がらせ?
学校で言えば、単なるいじめ?
からかいだよな。
自問自答した途端、不安一色になる。
それでも気持ちを立て直す。
不安になったら負けだ。あきらの仲間は最強なんだ。
「大丈夫。」
事あるごとにあきらは言った。
「オレの仲間はさ、警察官、弁護士、税理士、医者、土木、教師、まぁ、いない職種はないからな。」
今思えば何かの勧誘みたいだと思った。
けど、あきらは言っていた。
「あいつらが警察に言ったら、オレらは分かるんだよ。」
そう、怖くない。あいつらは不登校のガキと母親なんだ。
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