第18話
「彼女が最後にどこの居場所がいいのか、考えさせたらいいんじゃないんですか?」
「え?」
ハヤブサ、今なんて?そんなの、通るわけない・・・。
「いいんじゃない?燃える。」
「明金。ふっ。いいじゃねえか。俺らからしたら面白いがな。そっちはどうだ?」
2人の目がギラギラとしている。
そう言う闘争心に火がついたのだろう。
でもギラギラしている目の奥には、暗い部分が写って、ゾクッとする。
「凛、それで、いいのか?私は凛に任せる。」
「当主様。」
明金の方がこれを承諾しているなら、親も承諾するしかないだろう。
私からしたら、好条件だ。
だってずっと、今の生活を続けるといえばいいんだから。
「私は、賛成します。」
「なら、私も賛成だ。これから1年間を、制限にしよう。」
「ちょっと待ってください!それでは我々の会社が!」
「・・・わかった。私らも手伝う。それで良いか?」
「は、はい。」
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「ハヤブサ。ありがとう。」
「凛さんのためなら火の中水の中ですよ!頼ってください!」
「・・・うん、やっぱなし。」
「なんで!?」
どことなくキモいハヤブサを追い払って、
今日も焔のところに泊まらせてもらうことになった。
「そういえば私たち、ここの家の構図知りませんね。教えていただけませんか?」
「ん?ここが廊下で、ここの突き当たりに・・・」
「そうじゃなくて、仕事とか、関係とか・・・?」
「え、あ、ごめん。間違えた。」
そういえばなんやかんやで話せていなかったのか。どこから話すべきかなど考えていると。
焔が合流してきた。やっぱりこの話には焔が必要だなと思い、参加させた。
まず、焔が話し始めた。
「まず、さっき集まった中で一番権力があるのは僕の祖父なんだ。僕の父親は僕が生まれてすぐに癌で死んだから、祖父が僕に継がせようとしているんだ。」
「「へぇ」」
正直、双子は話が面倒くさそうだ。
こう言う話に慣れていないしな。
「で、私の針都家は元々糸和津家の会社の幹部に当たるところを任されている家系なんだ。それがいろんなところに展開していって今みたいな勢力を持ってるんだ。まあ、糸和津家には敵わないけど。」
「そこから、仲が深まっていって、今みたいに両家から婿を出したり嫁を出したりしているんだ。だから僕は元々、凛と婚姻関係を結んでいたんだ。」
「そんなことがあったんすね!!!俺にはよくわからないけど、強いことはわかったっす!!!!!」
イオリにはまた後で噛み砕いて話してあげよう。
その場所には双子も必要だな。
「で、糸和津家の従兄弟関係にあたるところに糸踏家があって、そこは裏世界のボスをしているんだ。こうやっていろんな界隈に手を出していないといつ潰されるかわからないからね。んで、今のその家の投手が今日見たあのおじさんで、その子供がこの前の明金。」
「結構身内でしたのね。今まで知らなかったのが嘘みたいに話が出てきましたわ。」
いつもの乙葉の声が無くなった。
それほど真剣に聞いてくれているんだろう。
「今日、知ってもらえてよかった。私、これを知られたら喧嘩界隈に入れないと思っていたから。」
「俺は凛さんのことをしれてよかったと思っています。難しい話ですが、これからのことを考えるきっかけにもなりました。」
「一緒に頑張りましょ〜。ね?凛ちゃん?」
ずっと考えていた。このことを話したら本当にこの人たちから突き放されるんじゃないか、と。
でもそんなことなかった。
彼らは私を信頼してくれているんだ。
『みんなの期待に応えられるよう、頑張らないと。』
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