第11話

緊張した空気の中、昨日監禁されていた時の話が始まった。

まず、ハヤブサが話し始めた。


「昨日、家から右牙と左牙が出た後、何者かに襲われて監禁されたと言うのがこのGPSからわかったのですが、それが誰かまではわかりませんでした。これから情報収集班と一緒にそいつらを探そうと思います。」

「そこまでしなくていい。」


続いて、乙葉がいつもの口調で話し始めた。


「手錠はどうやらお手製のものっぽかったですよ〜。よく見ない形の鍵穴をしていました〜。何かしらの大きな組織が関与してるかもしれないわ〜。」


するとイオリが話を遮るように大きな声を上げた。


「あぁ!!俺、あいつ見たことあるっす!!!確か、堕威夜紋怒ダイヤモンドの第2席だった気がするっす!!前に戦ったことあるっす!!!」

堕威夜紋怒ダイヤモンド!?ということはやっぱり連れ去って、攻撃力半減を狙ったんじゃない?」


久しぶりにイオリが活躍しているところを見たと思えば、

左牙が珍しくちゃんとしたこと言ったな。

すると焔がいきなり声を上げて、衝撃的なことを言った。

それはある人たちには意味がわからなかったが、

意味がわかった者はまるで雷が木に落ちたのを目撃したかのように呆然とした。


「あいつは俺の従兄弟だ。糸踏明金。俺の2つ下だ。」

「あれでっすか!?すごいっす!!!」

「お前!糸踏だぞ!どういうことがわかってんのか!?この前見せた資料にあっただろ!」


そうだ。糸踏明金は裏社会では有名人物だ。そりゃあ堕威夜紋怒ダイヤモンドの第2席というのも大事な部分ではあるが、

それ以上の恐怖がみんなを襲った。

それはもう、この部屋に幽霊がいたと知った時のように。


「つまり、私が買われた先って・・・。」

「うん、恋刃組。つまり、だよ。」

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