第9話

「「「「「凛さん!!!」」」」」


扉が開くとそこには、いつもの幹部五人がいた。

凛は嬉しくて泣きそうになるのを必死に堪え、相手の方を見た。

相手は今の状況がわからない顔をしている。

言うまでもない。相手はここがバレないと思って凛を監禁したのだから。

イオリと右牙、左牙は戦闘体制に入り、乙葉とハヤブサは凛を助けに入る準備を開始した。


「なんでここがわかった?どこにも情報は出してないはず!」

「なんか分かんないっすけどGPSだかなんだとか!」


イオリ、それは言っちゃいけないやつだよ、多分。

ハヤブサはもう信用できなくなりそう。

なんて思っているとイオリの方から戦闘が始まった。

それに続き、相手や右牙左牙も動き出した。

バキッという拳と拳が当たる音や

ボコッという頬に拳が入った音がこの狭いコンクリート造りの部屋に充満する。

バチンという音と共に腕の締め付けが解けた。

どうやらハヤブサがピックで手錠を外してくれたようだ。・・・一体何者なんだ。


「凛、大丈夫?意識はあるよね?」

「あ、あぁ。ありがとう、乙葉。」

「なんとかGPSが間に合ってて良かったです。昨日付けたやつ。」

「それ言っちゃダメだろ。まさか盗聴器だけじゃなくGPSまでついてたとは。」

「なんとでも言ってください。僕は攻撃力はないからこれしかないんですよ。」

「それだとしてもダメですよ〜。さて、応急処置は終わりました〜。」

「外に出よう。裏口をもう見つけてあるから。」

「うん。」


外に出ると真昼だった。あれからそんなに時間が経っていないのか。

はたまた、1日眠っていたのか。

でも久しぶりの陽の光が暖かくて眠たくなってしまう。


「ご、ごめん。寝る。」

「も〜、仕方ないですね〜。ハヤブサ、おんぶしてあげて。」

「・・・ありがとうございます。」


ハヤブサがキモいことを言ったのまで聞こえたが、

凛はそこで意識を失った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る