未知との遭遇
今日は、気がついたら海の中にいた。
さっきまで自分のベッドで寝ていたのに、
目を開けたら前がぼやけてて、上を見上げると、太陽の光が水面に反射してユラユラしていた。
呼吸は出来るので、せっかくだから海の底に向かって泳ぎ出した。
泳いでいると、段々と太陽の光も無くなって暗くなっていった。
頭も水圧で、頭蓋骨がキリキリ音を立てている。
遂に海の底に着いたので、あたりを見回すと、真っ暗で何も見えない。上を向いても、太陽の光は、既に無くなっている。
途方に暮れていると、向こうから明かりが見えてきた。
気になるので、その明かりに近づくために、ゆっくり歩いた。
どうやらその明かりも、自分に近づくようにゆっくりと動いている。
だんだんと、光の形がはっきりしてきた。どうやら、頭があって、手があって、脚がある。
僕と同じ、人間のような形をしている。
向こうもそれに気づいたのか、歩みを止めたようだったが、僕は、ただ気になるという一心で、ズカズカと歩き続ける。
遂にその光の眼の前に来た。
一言で表すと「全身が光る人間」でも、目だけが真っ黒なせいか、ちょっと宇宙人みたいに目が大きく見える。
海の中なので上手く話せないと思った僕は、なんとかコミュニケーションが取れないか考えたか、まずはと思い、右手をその人の前に差し出した。
その人は、どうやら不思議そうに僕の手を眺めている。
このままではどうしょうもないと思ったので、自分の右手と自分の左手を握って、握手のジェスチャーをしながらニコニコ笑ってみた。
そうしたら、その人は少し目を大きく見開いて、僕を見つめてきた。どうやら、僕の意図を理解したような気がしたので、もう一度右手をその人の前に差し出すと、その人も右手を差し出した。そして、お互いゆっくり近づきながら、握手をした。
その人の手は、ほんのり暖かく、柔らかい感触だった。
何故かは分からないが、この人とは仲良くなれそうだなと、強く思った。
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