2-1
「なあ、知ってるか? 第一
「もちろんよ。記事を読んで
そんな中、今朝発行された新聞の一面に
(おいおいヘデラの
世間を
ヘデラとうっかり出会ってから、ダリアは彼について調べ、いくつかわかったことがある。
現在、この国の
ちなみに、第二皇子は
アグネス
「ダリアお
部屋に
(まーたこいつか……
思わずため息を
「奥様がいないのをいいことに、
そう言って侍女は
「私、
「その調子に乗った態度を言っているのです!」
「身分差を考えたら当然では?
「なっ……」
ダリアが鼻で笑う。
「このっ……」
言い返す言葉が出ない代わりに、侍女は鞭を
「調子に乗ってるのはてめえだろ」
「いっ……」
ダリアが侍女の腕をひねると、鞭が
(やられっぱなしは
いつまでも
「今すぐ手を放しなさい! このことを奥様に伝えますよ!」
「へえ、なんて言うのか気になるな。鞭で打とうとしたら逆にやり返されましたって?」
「奥様はすぐに罰を与えてくださいますわ!」
「じゃあ
ダリアが
「このままだとウチが
「ウチ? ハンデ……? 貴女、本当にダリアお嬢様なのですか」
「話を
ダリアは床に落ちた鞭を拾う。あっという間に形勢逆転し、侍女は顔を青くした。
「鞭の
「何をする気ですか!?」
「ウチって短気なんだよな。考えるよりも先に手が出るってやつ?」
「……ひっ」
ダリアは床に向けてビシリと鞭を打った。コツは力を入れすぎないこと。
侍女は大きな音に
「次はねえぞ、わかったらさっさと出ていけ」
再び鞭で床を打てば、侍女は
「あー、スッキリした! やっとやり返せた!」
ダリアは
(あんだけ
もし継母に伝えたとしても、今まで泣いて許しを
(まあ、何か言ってきたらそん時はそん時で、気弱なダリアを演じてみせればいい話だ。できるかわかんねえけど!)
楽観するダリアは、それよりも……と、今後の訓練について考える。
先日、ようやく
ダリアは思い立ったが
「ここだけの話だけどね、どうやら奥様が、第一皇子殿下の失踪に関わっているかもしれないの」
「奥様が!? それ本当か?」
まるで密会しているかのように身を寄せ合って話す男女の使用人は、全くダリアの存在に気づいていない。興味深い内容に、ダリアは耳を
「本当よ。
「なんだって!?
「当たり前でしょう? 奥様が関わっているのなら、絶対に旦那様も共犯だわ」
(今の話が本当なら……アグネス侯爵家はヘデラの
あのままダリアがヘデラを見つけていなかったら、彼は命を落としていた。皇都から来た客がどこの誰かはわからないが、アグネス侯爵家は中立の立場ではない、ということなのだろう。あの継母ならありえそうな話だ。
(攻略対象キャラがダリアより先に死ぬって展開もありえんのか……とはいえヘデラはウチが助けちまって死ななかったわけだが)
そういえば、ゲーム内でも王位
「まあいいか。行こう」
ふたりが立ち去ったのを
前回同様無事に外へ出ることに成功したダリアは、先日町へ向かう
「それだと一生成長できないよ」
「……え」
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