第十九話 お嬢様、変態化する。
※報告、前回の話の終わりを少し変更しました。
「うわああああ!」
「あの、風邪ひきますわよ! とりあえず傘を……」
「ギャアアアア!?」
「ちょっと、お待ちになってくださいまし!」
そう言うと私は、壁を蹴り、アスカさんの前に華麗な三回転宙返りを決めスタッと着地したのですわ。
……今の、高得点じゃないですの⁉
って、そんなことはどうでもいいのですわ。
私は、アスカさんの前で仁王立ちすると、ビシッと高笑いするお嬢様のポーズを取りましたの。
「おーっほっほっほ、追いつきましたのですわ‼」
「あばばばば」
「さあ、そろそろ堪忍して私にアスカさんの不安ごとを聞かせるがいい……あら?」
そう言いかけた私の目の前で、アスカさんはぺたんと腰を抜かして地面に座り込んでいましたわ。
はて? どうしたのですの?
「はっ!? もしや、それだけ体調が悪いという事ですの⁉」
「ち、ちげえよ……ちげえよ……お前、お前さ……」
「はわわ、これは……これはどうしたらいいですの⁉ 救急車、救急車を呼べばいいのですの⁉
「お前、さぁ……ひうっ」
そう、何かを言いかけたアスカさんが小さな悲鳴を漏らした、それと同時に湿ったような、暖かい液体が……小股から出てきましたわ。
あ、これ、悲鳴と同時に漏らしましたわね。
プルプルと震えながら、小股を抑えていた明日香さんは、さっきの悲鳴より小さなか細い声……
「ひ、あ、うわぁ……みんなぁ、みんなよぉ……」
【
ジャーと、近くの水場でアスカさんのおしっこを洗い流した私達は、その近くのベンチに腰掛けていましたわ。
「……もう大丈夫ですの?」
「あんたに言われたくないけど……でもまあ、うん……ちょっと、スース―するけど……」
「まあ、今あなたノーパンですからね」
「言うな馬鹿!」
「へうっ⁉ ですの!」
顔面パンチを喰らって、吹っ飛ぶ私。
「……あ、ごめ……」
「ふへ、元気そうでよかったのですわ」
「……変な奴」
さてと、と立ち上がった私は泥を叩いて。またアスカさんの隣に腰掛けましたわ。
「……ねえ」
「なんですの?」
「何で、私にかまうの?」
そう、ちらりと私の事を見てアスカさんが訪ねましたが、そんなの決まってますわ。
「そりゃ、心配だからですわ」
「は? 心配だから?」
「そうですの。貴方が苦しんでいるのが見て取れるから、貴方の事を助けたいのですわ」
私がそう言うと、アスカさんは……「アホくさ」と小さく呟きました。
「……別にさあんたと私なんて赤の他人同士なんだから……ほっとけばいいのに」
「へ? 赤の他人じゃないですわよ?」
「は? 何言ってるの?」
「クラスメイトという縁がある以上……私は貴方の他人ではありませんの」
私がそう言うと、少し呆れた顔をしてアスカさんは笑いましたわ。
「いかれてるよ、あんたはさ」
「おーっほっほ、誉めてくれてありがとうですわ!」
「別に褒めてな……まあ、いいや」
「……ありがと」小さくですが、そんな声が聞こえた気がしましたわ。
ふふ、さて……そろそろ雨も収まってきましたし、家に帰って……
と……その時、私の脳に電流が走りましたわ。
「はっ! そうですの! 私にいい考えがありますわ!」
「は? いい考え?」
「そうですわ、ノーパンが気持ち悪いのでしたら、私のパンツを……」
「絶対に嫌だかんね!?」
「何故ですの⁉」
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