第十五章 お嬢様、姉の後輩に合う
沢山のお店を回って、今は昼時、私とリオ姉さまはお昼を食べるために近くのファミレスに入りましたわ。
「ふぇえ……もう足がパンパンですわ」
「全く、絵里はたいりょくないなー……ちょっと前までダンジョンでずっと歩き続けてたんじゃないの?」
「それはそうですけれども、ダンジョンとショッピングモールじゃ全然歩く勝手が違いますわよ」
そう話して、私はメロンソーダを一口で飲み干しましたわ。
「うん、上手いですわッ‼」
「相変わらずメロンソーダが好きだよね~」
「ええ、メロンソーダ好きには悪い人がいないからですわっ!」
「うんうん、なんか微妙に回答になってないね~」
なんて話していた時、対面に座っていたリオ姉さまが「あっ」と声を上げましたわ。
「あれ、あの二人って……ちょっと、ここで待っててもらえる?」
「ん? 分かったですの……ズズズ―」
立ち上がった、リオ姉さまの事を私が視線で追っていくと、リオ姉さま二人組の女の人たちに声をかけていました。
「ズズズ―……もしかして、お仕事関係の知り合いだったりするのですかね?」
なんて思いながら、氷だけになったメロンソーダを啜っていると、リオ姉さまが二人の女性を連れてこっちに歩いてきましたわ。
それにしても、あっちのおっぱいが大きい方の女性……髪色ピンクってめだちますわねー。
「へえ、妹さんと一緒に遊びに来てたんですねー」
「っていうか、先輩妹さんいたんですね……初めて聞きました~」
「はは~まあ言ってなかったからね~……あ、ちなみに年齢はレナちゃんの弟君と同じだよ~」
「ん? ってことは、高校二年生くらいってことですかね?」
なんて話ながらリオ姉さまたちが歩いてきましたわ。
「お待たせ~、この二人も一緒にいいかな?」
「別に構いませんわ。まあ、先に言って欲しかったですけれども」
「ありがと~、それじゃあ……二人はそっちでいいかな? 私は絵里と揃って座るね」
そう言って、リオ姉さまは私の隣に座り……黒髪と桃髪の二人は対面に揃って座りましたわ。
「それじゃ、詰めて詰めてね~……よいしょっと」
そう言って、二人が座ったのを見て……私は、もう一度氷だらけのメロンソーダを啜りましたわ。
……べ、別に。私、緊張しているわけではございませんわ。
た、ただ初対面の人と話すのが苦手というわけでございますの。
「ははは、初めまして……リオ姉さまの妹で、絵里と申しますわわわわわ」
「ちょッと緊張しすぎだよ、絵里」
「べ、別に緊張してねえのですわわわわ⁉ ちょっと、緊張してるだけですわわわわわ」
「緊張してんじゃんっ‼」
う、うっせえですわね。
初対面の人と話すなんて無理ですわ、コミュ障なめんなですわッ‼
そんな私の様子を見ながら、苦笑する二人。
「ふふ、仲いいんですね……あ、初めましてー。リオさんの後輩のロナって言います。黒猫のロナってみんなからは呼ばれてます」
「そして、同じくリオさんの後輩のレナです~。桃犬のレナって呼ばれて
るよ。よろしくね~」
そう言って二人は人の良い笑顔で話しかけてきましたわ。
うっ、もしかしてこれが……光属性の人間という奴ですの!?
「それにしても、先輩の妹さんってお嬢様口調で話して……て……ひぃっ⁉」
「ロナちゃんどうしたの?」
「ば、ば……ば………」
そう言って、笑って挨拶していたロナさんの笑みが引きつっていきました。
と、そこで私も首をかしげました。
なーんか、どこかで会ったことがあるような……
「……ひっ⁉ ば、化け物」
「ちょ、初対面で化け物呼び……呼び……って、ああっ⁉ ダンジョンにいたエッチィ人たちですの!?」
こうして、私は……ダンジョンで助けた二人の女性と再会しましたわ。
まさか、
「それにしても人をエッチィひと呼びする絵里は絵里でたいがいだと思うけどな~」
「う、うっせえですわねえええ‼ メロンソーダお代わりですわあああ‼」
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