第十四話 お嬢様、姉とデートする?
あれから少しして、私とリオ姉さまは街一番の大型商業施設……イコンモールまで足を運んでおりましたの。
因みに、リオ姉さまは超有名配信者の為、分厚い眼鏡にフードと簡単な変装を……私は、めだっちゃいけないので義手を取り外してゴスロリ衣装に着替えてきておりますわ。
「……ちょっと、リオ姉さま!? なんで私こんなゴテゴテ派手なゴスロリ衣装なんですのっ⁉」
「え、可愛いじゃん。絵里好きでしょそう言うの?」
「あたぼうなのですわ!」
そう言って、リオ姉さまにサムズアップをしましたわ。
「……そうではなくてっ⁉ これ、私浮いててめちゃくちゃ目立ってますわ!?」
「いや、気にし過ぎだって~」
「そ、そうですの?」
「そうそう」
そ、そうですか……そうですわね! きっと私の勘違い……
「いや、やっぱ流石にここまで派手だと目立ちまくってますわよ⁉」
「あー、やっぱそっかー派手だもんね~……なんでその服着てるの?」
「あ・ん・た・が‼ きせたんでしょうがですわっ!」
そう、リオ姉さまにビシッと突っ込みを入れていると、「あのー」と誰かが声をかけてきましたわ。
「……【ダンライバー】のリオさんですよね?」
「ふぇ?」
そう言って話しかけてきたのは、髪を金髪に染めた女子高生でしたわ。
リオ姉さまに話しかけたってことは、リオ姉さまのファンの方であることは間違いなさそうなのですが……はて?
どこかで見たことがあるような?
「み、身バレした……どうしよ……ってかなんで、身バレしたの!? 目立つ人を横に置いておけばバレにくくなるって話だったんじゃないの!?」
「あ、だから私に目立つ服装をさせてたわけなのですわね」
「そうだよ。それにしてもおかしい……IQ999である天才の私の計算が狂った……だと⁉ こは、ゴルゴムの仕業か⁉」
「ゴルゴムの仕業でもなんでもなですわ、あんだけ騒いだら当然……それに、あんたIQ普通に平均以下だったのですわ」
「はれ~? そうだっけ~?」
そうやってリオ姉さまが脳溶けをかましていると、困惑したファンの女の子が声をかけてきた。
それにしても、本当に……どこかで会ったことがあるような……ないようなー……うーん、分からんですわ。
「あ、あの~」
「あ、ごめんね」
「あ、あの……私ファンなんです…! もしよかったら、一緒に写真を……って、あれ?」
誰でしたか……と思考を巡らせて彼女の事を見ていると、視線がぶつかりましたわ。
「あ、あんたは……エリッ⁉」
「……はて? 私の名前を知ってるってことは、私の知り合いだと思いますが……失礼ながら名前をうかがってもよろしいかですわ?」
「あんた、私の事忘れたのっ⁉」
「ええ、記憶の中からサッパリとですわ」
「う、そ……でしょ」
そう言って、固まるファンの女の子。
はて? これだけショックを受けてるってことは……さぞや深い仲(変な意味はございませんわ)だったのですわ?
「私だよっ‼ あんたを虐……あんたの隣の席の……」
「ああ、大島さんですわ?」
「小島だよっ‼ クラスメートであんたの隣の席だった、小島 明日香だよっ‼」
そう言って、明日香さんはキレッキレの突っ込みをかましましたわ。
「え? もしかして……この子絵里の友達なの?」
「別に、友達なんかじゃ……って言うか、なんであんた……あんたリオ姉さまと仲良さげなのよ‼」
そう言って、明日香さんは「ぎゃぼー」と発狂していますわ。
「まあ、何故と言われましても……妹だからとしか言えませんわ」
「妹……妹っ⁉ あんたが、リオ姉さまの!?」
「そうですけれど?」
「う、うそ……あんたみたいなのが、あんたみたいなのが!?」
「ええ、こんな……超絶ハイスペック、美少女天才お嬢様のこの私ですが、悲しい事にこのポンコツ姉の妹なのですわー……」
「いや、あんたもポンコツでしょっ⁉」
「失礼なっ⁉ 私どっからどう見てもハイスペックコングチレーレーション美少女ですわ⁉」
「いつもテストで0点ばかりの癖によく言うわ!?」
「ぐ、ぐぬぬ……ですわ」
そう言って、明日香さんは私の事をびしっと指さしましたわ。
「と、とにかくっ! あんたみたいな、あんたみたいなのがリオ様の妹だなんて……絶対、絶対認めないからあああああ!」
そう言うと明日香ちゃんは目に涙を浮かべて走り去っていきました。
「あ……写真撮らなくてよかったのかな?」
「あ、そう言えばそう言う話でしたわね」
「絵里……代わりに一緒に写真撮る?」
「何の代わりか分かりかねますが、まあいいですわよ……ちょっと、顔近づけすぎますわッ⁉」
「ふへへー絵里のぷにはだー……ふえへへ~」
「ちょ、キモイですわッ⁉」
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