第八話 汚嬢様、配信開始と同時に指を折る
「(ボキッ)……ぎゃあああ⁉ 指折れたのですわああああああ‼」
【コメント欄】
”キターーーーーー”
”告知から来ましたー”
”すっげぇ、音入ったなw”
”開始早々、負傷してて草”
「お、おぅ……あ、配信始まってましたわ。こほん、皆さま! こんにちエリザベートッ‼ 皆さま、お越しくださり誠にありがとうございますわッ‼ おーっほっほっほっほっほ………オホッ!?」
そう言って自己紹介してる私の脇腹を何かがえぐってきましたわ。
「……いってぇですわッ‼ 今、あいさつの途中ですわよ‼」
「ぷるる」
そう言って、ガバット振り返った先にいたのは、丸っこい青い球っころ……ランク1に分類されている魔物【青スラ】がおりましたわ。
「この、子供にすら負ける底辺魔物の癖に、私にたてつくとはいい度胸ですわッ‼ はちのすになればいいのですわっ! おーっほっほっほっほ」
「……ぷるっ(イラッ)ペッ‼」
「喰らえ、フルバーストですわッ‼」
そう言って、私はさっそくマシンガンをぶっ放したのですわ。
ぶっ放したのですが……
「ぷるっ(ふっ、銃口塞いでやったぜ)」
「はっ? 何をしているので……アレ? 弾が出ませんの……故障ですの?」
突然、何かが銃口を塞ぎましたわ。
「……ぷぷぷるっ(笑)」
「むっ⁉ この青スラ、何をして……そんな抵抗しても無駄ですわ! 無駄な努力乙~ですわっ! おーっほっほっほ、オホッ!?」
突然マシンガンが暴発し、私は体が吹っ飛んでいってしまいましたわ。
【コメント欄】
”銃口に詰め物されてる状態で引き金引いたらそうなるわw”
”青スラに負けてて草w”
”もう面白すぎるw”
”青スラナイスw”
「ぐ、ぐぬぬ……ふかく……でしたわ」
そう言って青スラを睨みつけると、青スラはまるで「ざまあw」とでも言うかのように去っていきましたわ。
ぐぬぬ、覚えて居ろ……ですわ。
【コメント欄】
”汚嬢様、大丈夫?”
「ご、御心配ありがとうですわ。わ、私でしたらこの通り何ともないですわ」
そう言って、煙から出てきた私は五体満足の姿を見せました……が、コメントの様子はどうやらおかしいですわね?
どっからどう見ても何ともなくなくて草w
普通に重症で草w
汚嬢様、脳みそ出てるよ⁉
そう言われて、頭を触ってみると、あら、確かに脳みそが露出しちゃっていますわね。
「ほえ? あ、結構ダメージあったんですわね。これはお見苦しい所をお見せしましたわ」
全く、ゾンビになってからという物……痛覚が鈍くなって自分のダメージ把握が難しくなってしまいましたわ。
「まったく……やれやれですわ」
そう言っているうちに、身体の大部分が元通りになりましたわ。
【コメント欄】
”再生したw”
”スゲー……スゲー”
”お嬢様、どんなスキルもってんだ?”
”普通にヤバすぎる……映像的にも、能力も”
「ま、私にかかればざっとこんなもんですわ! いくらダメージを負ったとしても、再生できますの。なので実質ノーダメージ! 今回は、私の慈悲深い心に免じてあの青スラは見逃して差し上げますわ‼ おーっほっほっほっほっほ!」
そう言って私は、高笑いしますわ。
そう、私は負けていませんの。
ただ、自爆しちゃっただけなんですの。
むしろ青スラの方が敵前逃亡したから、私の勝ち……そうですわね! 私の勝ちですわね!
「おーっほっほっほっほっほ‼」
【コメント欄】
”オホッ!?”
”おーっほっほ………オホッ!?”
”汚嬢様、敗けを認めてないw”
”負け惜しみで草w”
”もしかして、汚嬢様の汚は性格だった?”
「そうそう、私の性格は、汚れ腐っておりまして……って何言わせてるのですの!?」
【コメント欄】
”自白してて草w”
”流石汚嬢様w”
”自分から言ったんじゃんw”
「うっせーのですわっ‼」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます