第2章

貯まったお金の使い道

今回からアビリティの表記の仕方を少し変更しました。

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PN:アラヤ

Lv.26

所持金:94310ガル


ロール

レンジ:クロス

ポジション:ガンナー

クラス:タンク


パラメーター

HP:60

MP:60

ATK:20

DEF:50

SPD:20

TEC:110

LUK:15

アビリティ

・スプレッドショット++

・クロスブラスト

・パワーガード++

・パリイ++

・リベンジガード++

・マジックシールド

・クイックリロード+

・プロヴォーク+


装備

メイン:無銘の散弾銃

サブ:ロックウォール/旧式散弾銃

頭:-

胴:支給隊服(上)

腕:革手袋

腰:支給隊服(下)

脚:戦闘ブーツ

アクセサリー:-


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 こうして改めて成長したパラメーターと新たに習得・強化されたアビリティを確認すると、昨日の防衛任務で一気に成長したなと実感させられる。

 けど、それもそのはず。


「なんだかんだあの任務だけで15レベくらい上がってんだもんなあ」


 やっぱあの黒い人型と首だけの狼を倒したのがデカかったか。


 後になって知ったことだが、あの黒い人型アンノウン——どうやらCランク相当のオーバードだったらしい。

 とりあえず格上の相手だってことは見た時点で察していたけど、まさかそこまでだったとは。


 もしあの場にゼネがいなかったら多分……というか、ほぼ確実に負けてただろう。

 俺とティアだけだと、どうしても攻め手に欠けてたからな。


 仮に途中まで超絶上手くやれたとしても、首だけ狼の特殊行動でどっちかは落とされてたと思われる。


 ……とまあ、昨夜の振り返りはこれくらいにしておいて。


「そろそろ出発するか」


 腰掛けていたベッドから立ち上がり、頭の中で今日のプランを立てながら部屋の外へと歩き出す。


 まずは昨日消耗した回復アイテムとかを補充、その次は防具を含めた装備一式の新調が無難か。

 武器屋からの依頼と防衛任務で所持金がガッツリ増えたおかげで、よほど荒い金の使い方さえしなければ余裕で予算内に収まるはずだ。


 それが済んだら、次は……どうっすかな。

 また適当な防衛任務に参加するか、街中で他のミッションを見つけてこなすか、はたまたフィールドに出て探索とか冒険をしてみるか——。


「うーん……」


 ……ま、いいや。

 後の事はそん時に考えるとしよう。






   ◇     ◇     ◇






「いらっしゃい。……あ、また来てくれたんだ」


 商業区の大通りを外れた薄暗い路地裏。

 ひっそりと潜むように構える店の扉を開ければ、闇商人の女性NPCが紫煙を燻らせながら出迎えた。


「そりゃ折角、素敵な割引権を貰ったんだ。使わなきゃ損ってもんだろ」


「確かにキミの言う通りだ。それで……今日は何を買いに来てくれたの?」


「とりあえず新しいショットガン。あと適当になんか良さげなヤツ」


「あはは、雑だね」


 そりゃ半分ノープランだし。


 だけど、新たに武器を買うことだけは確定事項というか、むしろそれがメインの目的だと言っていい。

 ここを訪れたのは、まだスロットに空きのあるメインウェポン側にセットする武器を探す為なのだから。


 ショットガンを買い換えるのはそのついでだ。

 サブ運用で使用機会が少ないとはいえ、いつまでも初期武器じゃ火力が物足りなくなってくるしな。


 そんな訳でカタログを見せてもらい、ウィンドウを操作していく。


「先にショットガンを買っとくか」


 サブ用のショットガンに関しては、もう既に何を購入するかは決めてある。


 ——鬼ヶ島。

 単純に予算内で買える武器の中で一番火力が高いってのも理由の一つだが、コイツを選んだ一番の理由はその付随効果にある。


 弱点特攻——名前の通り、急所や弱点部位に攻撃した際にダメージ補正がかかるというもの。

 仰け反りやダウンさせた時に追撃する用として、サブウェポン側に控えさせておくには丁度いい性能だといえよう。


 一応、攻撃数値としては無銘の散弾銃よりこっちの方が上ではあるが、そこまで差がある訳でもないし、怯みとか仰け反り強化の方が有効な場面が多そうだから、ひとまずは無銘の散弾銃がメイン、鬼ヶ島がサブでの運用で様子を見てみるつもりだ。


 それから最後にちょこっとだけ吟味してから鬼ヶ島を購入。

 元々の値段は21500ガルだったが、割引権のおかげで三割カットの15050ガルにまで値引きされていた。


 これで大体6500ガル浮いたってことになるのか。

 ……うん、冷静に考えてもやっぱイカれてますわ(歓喜)。


「なあ……買ってから聞くのもあれだけどさ。こんなに値引きして平気なの?」


 俺の問いかけに対して、女性NPCは表情を崩すことなく、


「うん、問題ないよ。だって……キミに安く売った分、他の訳ありな傭兵から巻き上げればいいだけだから」


「うっわ、アンタ……今、ナチュラルにエグいこと言ったな」


 堂々とぼったくり宣言しやがったぞ。

 しかもターゲットを訳ありの傭兵……プレイヤーに定めている辺りからして、この価格設定がまかり通るのは、やはり何かしらのからくりがあると見て良さそうだな。


 まあでも、俺には特段関係ないから別にいいか。

 この店を利用せざるを得ないプレイヤーがどんな奴かなんて大体察しがつくし。


 そんなことよりもメイン側にセットする武器探しだ。

 今の武器構成に何を据えるのが正解なのか考えつつ、再びカタログウィンドウに視線を落とそうとした時、キィと小さな音を立てて店の扉が開いた。




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PKやら他プレイヤーへの迷惑行為などで悪評がNPCに出回ったプレイヤーは、暫くの間、一部を除いた商業施設が利用できなくなります。

そういったプレイヤーをカモにしているのが、主人公が利用している武器屋だったりします。なのでここに訪れるのは、絶賛ペナルティ中のプレイヤーか、何も知らないでやって来た新人プレイヤーのどちらかとなっています。

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