376話 【悲報・魔王、瞬殺】
【………………………………】
【………………………………】
【………………………………】
【………………………………】
【?】
【??】
【……!?!?】
【なぁにこれぇ……】
【んにゃぴ……】
【現実を見よう】
【それが辛いんだ】
【草】
【で、今】
【何が……?】
【見てただろ?】
【そろそろ認識しよう?】
【やだ】
【草】
【えぇ……】
【あれ、言葉は分かんなかったけど……炭火焼きだよな?】
【だよな、でかかったし】
【でかかったけど、でも……】
【もっとでかいベルに……】
【ごんって……】
【ぷちって……】
【まるで丸めた新聞紙で叩き潰されたGのように……】
【スプレーで弱らせる必要もなく……】
【ちょうど物陰から出てきたところをクリティカルヒットされた害虫のように……】
【草】
【ひでぇ】
【さすがにひどいよハルちゃん!】
【ま、まあ、しょせんはイモリだし……】
【か、かさかさ動かないだけまだ生理的嫌悪感はないから……】
【前回は危うく奥さろろろろろろろ】
【そうそう、またハルちゃんが連れてかれてえろろろろろろろ】
【草】
【朗報・ハルちゃんたち、魔王まで討伐した】
【草】
【ハルちゃん、完全に予想外だったっぽいけど?】
【ノーネームちゃんもぱちくりしてたよ】
【ああああスクショのノーネームちゃんかわいいいいいいい】
【かわいいいいいいいいいいいいいい】
【ハルちゃんと揃ってぱちくりしててかわいいいいいいいいいい】
【草】
【けど、ハルちゃん……】
【なんか様子、やっぱり】
【ていうか、いろいろやばそうなワードばっか言ってたな】
【落ち着いたら有識者の先生たち、お家に帰れないね☆】
【最低でも数年は帰れないだろうなぁ】
【世界中の政府関係者、お抱えの学者、シンクタンクその他もろもろな】
【11年前の侵攻を沈静化して抑えるので何年、ちょっと落ちついてきたと思ったらちょっとおかしい幼女としてデビューしちゃったハルちゃん、そのハルちゃんののんびり異世界地下ダンジョン、最後はこの魔王戦争】
【……11年前よりも情報量多いんだから、少なく見積もっても10年くらい帰れないんじゃね? 割とマジで】
【草】
【かわいそう】
【かわいそう】
【大丈夫 去年から缶詰だけどハルちゃんで癒やされてるから】
【こんなに幸運なことってないよ? だってリアルタイムでやっと考え抜いた理論が木っ端みじんなんだよ? また1から考えられるもん!】
【わーい!】
【草】
【かわいそう……】
ごーん、ごーん。
魔王さんの頭をぺちゃんこにしても勢いの止まらなかったベルたち。
それらからは――鳴るたびに、ものすごい数の金と黒の矢が放たれていく。
その矢たちは――多分、何日でも流れ続けるだろう。
それだけの魔力、ごっそり詰め込んだからね。
【ハルちゃん、なんかとんでもないこと言ってなかった?】
【さっきその話したぞ】
【ごめん、あまりの光景に意識飛んでた】
【無理もない】
【草】
【かわいそう……】
【もしかして:ハルちゃんの守ってた世界、魔力自体を解析済み】
【マジで!?】
【あー、この配信を見てる有識者の先生を見守る配信で、有識者の先生 何か分かっちゃったらしく、今ので発狂したわ】
【「エウレカ」って叫び続けて……あ、服脱ぎ始めた】
【スタッフさんたちが焦って介抱してる……】
【草】
【かわいそう】
【頭良い人ほど直撃してそう……】
【こういうときは一般人で良かったって思うんだ】
【配信見てるだけのエンジョイ勢がいちばん楽だよな!】
【そもそも頭良い人がこんな情報の塊の配信をじかに見てる方が悪い】
【AED推奨だもんな!】
【始原推奨だぞ!】
【草】
【そういや爺さん……あ、下で感激してるわ】
【草】
「あれは、もう何もしなくても良さそうですね」
「ん」
ひゅるるるる。
どうにかして羽を両方に広げ、あと、ずり落ちそうになってたノーネームさんを抱っこしながら――僕たちは、滑空を始めていて。
【ハルちゃんがノーネームちゃんをはぐはぐしてる!!】
【キマシ】
【これ入ってるよね】
【女神だぞ?】
【女神だからといって生えてないなんて証拠はないの!! シュレディンガーのハルきゅんなの!!】
【しっしっ】
【不敬すぎて草】
空は――全方向へと放射状に飛び散っていく無数の矢で覆い尽くされていて、あとは時間の問題。
「ああ、女神さま……」
「ありがとうございますありがとうございます……」
『アル、――――――――』
『ノム、――、――……』
地上の、町に近いところに居たモンスターから順番に貫かれていき――もう、戦闘は収まってきている。
……ああ。
長い1日が、終わったんだなぁ。
僕は、この世界に来たときみたいに――羽で風を受けながらゆっくりひらひら降りて行く感覚を味わいながら、ぼーっとしてきて――。
◇
【艦艇たちは砲撃を停止、飛行機たちは上空で旋回して待機】
【一気に静かになったが……】
【地上は、空から降ってきた矢にことごとく貫かれて、串刺しになったモンスターの骸ばっかりに……】
【最後の方に出てきてたドラゴンたちも、みんな串刺しになりながら自由落下していくよ】
【ひぇっ】
【それ見て次々と跪いたり五体投地してる人たち……】
【そらそうよ……】
【魔王軍を……完全に倒す、大魔法だからなぁ】
【町のすぐそばまで串刺しになってるし、戦闘が完全に止まってるし……】
まばゆい金色に、漆黒なのにまぶしい黒。
それらがまるで、流星群のように降り注いでいく。
天上――ハルが振り下ろしたときよりもずっと高い場所へと浮かんでいくふたつの鐘は、変わらない鐘の音を響かせ。
双子のベルが互い違いに振り下ろされるたび、全周囲へ――もっと遠く、水平線を目指して光の放射が降り注いでいく。
【きれい】
【きれい……】
【月よりも明るくて、でも、太陽みたいにはまぶしくない】
【現地のみんなが直接見上げてるしな】
【さっきまで漆黒だった世界じゃまぶしそう】
「……あれが、ハルさんの力……なんでしょうか」
剣を、弓を、拳を、盾を――下ろした即席部隊の皆へ治癒魔法をかけ続けているちほが、思わずといった様子でつぶやく。
「ああ……ハルさんのもノームのも、ついぞ見えなかった……」
そのそばで――崩れている、えみ。
「えみさん? この光景、配信されてるって自覚していますよね?」
「もう良いの……隠そうとしても無駄だって理解したから……」
彼女は、涙を流しながら返す。
【草】
【草】
【えみちゃん……】
【自分に素直な方が生きやすいもんね!】
【でもロリコンとショタコンは全世界的に悪よ? 大丈夫?】
【大丈夫大丈夫 ここ、異世界だから法律の適用外だよ】
【じゃあ帰ってきたら?】
【手は出してないはずだから執行猶予……つくかなぁ】
◆◆◆
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