288話 久しぶりの爆発&落とし穴の罠

【15】



『いちご!』

『ん!』

『かり、いちご!』

『のーむ!』


最近はノーネームさんが、あの子たちの面倒を見てくれてるらしい。


というか、子供たちがノーネームのこと、むんずって掴んで連れてくからね……かわいいから気に入られてるのかな。


【今日は赤髪の子がノーネームちゃん担当か】

【ノーネームちゃん、すっかり馴染んじゃって……】

【誰かしらの頭とか肩に乗っかってるノーネームちゃん】

【なお、ハルちゃんのとこに戻って来ると胸元に張り付く模様】

【ハルちゃんの服、胸元がいい具合で入り込めるからねぇ……】

【ノーネームちゃん、お前……】


【ハルちゃんが気にしないからねぇ】

【ハルちゃん、そういうのはほんと興味ないから……】

【セクハラされてるのよハルちゃん??】


【ハルちゃんの寝込みを襲って、自分が孕んで自分が出産した人外ドラゴン百合っ子だぞ、危険なんだよハルちゃん!!】

【そろそろ危機感持とうよ、だって気が付いたら「私があなたの妻で娘です♥」とかしてくるやべーのなんだよハルちゃん!】


【草】

【やばすぎて草】

【改めてひでぇ】


【ノーネームちゃん……悔い改めて?】

【事実だけ並べるとほんとやべー】

【ハルちゃん、分かっててか分かってなくてか……分かってないな】

【ああ、分かってない】

【天使だもんな!】


『! あるあ!』

『あるてー!』

『かり!』

『ぜろ!』

『ないない!』


【ひぇっ】

【ないないやめて!!!】

【草】

【ないないは……ないないは怖いんだ……】

【もはや「ないない」ってワードだけで身構えるようになってしまった……】


「うん、上手上手。 ――――――――でも」


ぱしゅんっ。


「ギャアアア!?」


「――気を抜いちゃ、だめだよ」


子供たちが振り向いてきた時点で、天井付近に1匹の反応があった。


「上も、ちゃんと見ようね」


『ごめさい』

『なさい』

『ある……』


「ん、えらいえらい」


この子たちは、他に頼る大人がいない。


だから、今は1番年上で頼れる――と良いなぁ――僕を保護者だと思ってくれてる。


だから、失敗すると途端にうちしひがれる。

だから、こうしてちゃんと「怒ってないよ」って伝えなきゃいけないんだ。


【ハルちゃんが……】

【大して背の違わない子供たちの頭を順番に撫でてる】

【ままぁ……】

【優しいハルちゃん】

【普通に面倒見は良いんだよなぁ、ハルちゃんってば】


【こういうのを見ると、ハルちゃんって最低でも中学生くらいの精神年齢って分かるよね】

【ああ……】

【じゃあ、やっぱり本来の年齢は?】

【女神換算はともかく、人間換算で高校生くらいか……?】


【ハルちゃん、これ以上大きくなるのかなぁ】

【ならないで】

【なって】

【お胸だけでももももも】

【草】


【ノーネームちゃん、そろそろないないやめない?? ないない先、もうキャパがいっぱいでしょ??】



【more】


【OK】



【草】

【OKじゃない! OKじゃないからぁ!!】

【お願いだから、ないないの基準弱めて……】

【なにしろ世界中で、子供とかが冗談でコメントしてないないされて大問題だからなぁ……】

【い、一応意味分かんないで打ち込んだワードは反応しないらしいから……】

【改めて精度が高すぎて草】





「お」


【やめて】

【やめて】

【ハルちゃんステイ】

【ノーネームちゃん!】


【何見つけたのハルちゃん、やめて……】

【ハルちゃんが何かに反応するだけで阿鼻叫喚】

【そらそうよ……】


まだこのフロアは……多分半分くらいしかクリアしてない。

階段もまだ見えてないし。


でも。


「良い感じだなぁ……よし」


【ノーネームちゃん!】

【ノーネームちゃん! とめて!!】

【ハルちゃん何かやらかすのおおお!!】



【様子見】



【草】

【ノーネームちゃん!?】

【だ、大丈夫そうってことなんだろ……多分】


『ある?』

『かり?』


「んーと。 ……ちょっと下がってて」


僕の索敵でモンスター見つけたのかって、すぐに前に出ようとしてる血気盛んな子供たち。


最近はこの子たちもずいぶん上達したし、そろそろ自分たちだけで狩りとかしたいんだろうけども……ごめんね。


「僕、ちょっと急ぎたくなったからさ」


腕で下がるように指示し続けて、安全圏まで退避させる。


――目の前には、爆発の罠。


このダンジョンは比較的罠が少なめだけども、ないわけでもない。

子供たちが好き勝手走り回っても、滅多に引っかからない程度には少ない。


でも、ゼロじゃない。


「爆発の罠と落とし穴の罠が、すぐそばにあるんだ」


【あっ】

【ひぇっ】


【   】

【   】

【   】


【視聴者たちの残骸が……】

【ノーネームちゃん! 今すぐ止めて!!!】


ちらっとノーネームさんを見る――けども、こっち見ながらぱたぱた浮いてて、



【♥】



「ご機嫌ですね。 じゃあいいんだ」


【ノーネームちゃん……お前……】

【草】

【ま、まあ、爆発落とし穴コンボは前からよくやってたから……】

【え? ここからダイブするの?】

【しないだろ……多分】

【い、一応子供たちのことを大切にはしてるっぽいから……】


僕は、スリングショットに石をかける。


「こういう通常攻撃……最近してないから、なんだか新鮮」


ぐいっと引っ張って――しゅんっ。


……ぼんっ。


結構大きな音が、爆ぜる。


『ぴ!?』

『あるー!?』

『!?!?』

『あるあ! あるあああ!』

『のうむ!? のうむのうむ――!!』


【草】

【子供たちの声】

【めっちゃびびってて草】

【かわいい】

【そりゃまあびびるわな……俺たちみたいにハルちゃんのいつものを知らないんだし】



◆◆◆



あずもももです。


ちょっとないないされていたので1週間ほど居ませんでした。

詳細はXに。


ですので2作とも、日曜日まで1日2回ずつ投稿してのお詫びです。

改めてよろしくお願いします。


「ハルちゃんがこれから何やらかすのか気になる」「おもしろい」「TSロリっ子はやっぱり最高」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の♥や応援コメントを&まだの方は目次から★★★評価とフォローをお願いします。

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