234話 みんなで上の階層探索開始
僕は別に、1人で散歩しても平気。
僕はダンジョンの中で過ごすことについては、ちょっとだけ人より上手な自信があるんだ。
だけども子供たちは違うらしい……って言うか、僕が1人で散歩に行こうとすると「置いてかれた」って顔してきて、結局着いて来ちゃった。
なんか飼ってる犬とか猫みたいだね。
飼ったことないけど。
「僕が居れば大丈夫。 だからちゃんと着いていてね」
『あ、ある……』
『――――……』
まぁ置いて気晴らしに出かけて、帰ってきたらモンスターにみんな食べられちゃってたとか悲しいし。
だから「どうせ着いてくるならぴったりとね」って身振り手振りで伝えたら分かったらしい。
最初はセーフエリア……くぼみのとこまでの空間……で、降りようとした僕を大声だったり泣きべそかいたりして止めようとしてた子供たち。
セーフエリアから出るのは怖いのか、くぼみから降りた僕をしばらくじっと見ていて、それからおっかなびっくりで降りてくる。
あー、空飛べるって最高。
僕、この体ならずっとここのままで良いかも。
……でも、最年少っぽい白髪の妹さんの方まで壁の凸凹使ってロッククライミングみたいなことできてる時点で、この子たちの生活がしのばれるね。
「じゃあ、まずは今日のごはん。 あとお酒だ」
【草】
【ごはんとお酒を求めて出撃したハルちゃん】
【ダメでしょハルちゃん! 子供たち巻き添えにしちゃ!!】
【ま、まあ、ハルちゃん居れば本当に大丈夫だろうし……】
【でもあの子たち、外に出る原因がハルちゃんのおいしいもののためって知らないのかわいそう】
【知ってた方がかわいそうなんじゃ?】
【そうかも……】
【命がけの探検の理由がおしゃけとか】
【知ったら殴っても文句は言われないな!】
【草】
僕は見えない翼でふよふよと、大人の視線くらいまでの低空飛行。
周囲の索敵、兼歩くの疲れる対策でふわふわ。
でも1番背の高い赤毛の子の目線から頭1個分高い程度だ。
や、だって……見えるもん。
はいてないのがまる見えだもん。
いくら僕だってさすがに気にするよ?
しかも今の体はもうちょっと成長してるし……。
まぁ見られちゃったとしても、ぶらぶらしてないだけまだ目の毒にはならないかな。
つるつるしてるもんね。
この子たちのほとんどは女の子だし、男の子だって小学生だから別に見てもなんとも……って言うか、そもそも他の女の子たちとお風呂入ってたし、ってことは他の子たち見ても反応しないって分かってるからだろうし。
良いよね、ハーレム。
今は何と1対5だよ?
まぁそのうちの1人な僕の中身は男だけど。
【しかしここは……意外と地味だな】
【地味だ……】
【見慣れた景色】
【気をつけろ……見た目は俺たちの知ってるダンジョンだ】
【でも、いきなり変なの出て来てもおかしくないよね】
【だって異世界だもん】
【子供たちとおんなじくらい怯えておこう】
【草】
ちょっと進むけども、モンスターは見えず。
……3つくらい先の部屋にちょっとまとまってるかな。
「……あ、索敵スキル……上と下のフロアからモンスターの気配が分かる……」
ってことは、ここは普通のダンジョンみたいな感じかな。
1ヶ月以上休んでたあそこはぜんぜん気配なかったし。
「とりあえずあっち行くからね。 おいしいのドロップすると良いね」
【草】
【やっぱりひと狩り出てるだけじゃねーか!!】
【ハルちゃん……】
【この幼女、食欲と酒欲で動いてやがる……】
【ハルちゃんだよ?】
【そうだった】
【ま、まぁ、食事は大切だから……】
【そうそう、おいしくないと元気出ないよね】
【あのパンとスープだけじゃなぁ】
【子供たちはまだしも、昨日まで持ち込んでたレトルトとかで毎日おいしいもの食べてたハルちゃんにはキツいよね】
前を進んでる僕を見てたら落ち着いてきたらしく、だんだん子供たちから聞こえてくる声が狭い通路でのそれに近くなってくる。
……あれ?
「そういえばノーネームさんは? どっかに忘れちゃった?」
【ココ】
「あ、いた」
なんか居ないなって思ったら、白髪の妹さんの両手に乗っかってた。
『のーむー』
『のうむ』
『のうむ……』
なんか子供たちが「次は私ー!」みたく順番で抱っこしてるらしい。
かわいいね。
【あらかわ】
【ノーネームちゃん、すっかりマスコット枠】
【かわいい】
【子供の両手にちょこんとお座りしてるノーネームちゃん】
【まあ、ノーネームちゃんの正体知らなければ動くお人形さんよね……】
【ノーネームちゃん、もうこのまま子供たちのマスコットで良いんじゃないかな】
【良いと思う】
【頭撫でられたりしても満更じゃなさそうだし】
【ノーネームちゃんきゃわわわわわ】
【草】
【ダメか……】
【ノーネームちゃんったら恥ずかしがり屋さんんんんんんん】
【あーあ】
【結局いつものノーネームちゃんだな!】
◆◆◆
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