226話 子供たちとドロップ回収
『あるー!』
『のーむー』
「アイテムの品質は普通……じゃあこの子たちのは……」
【どう見ても低品質だよなぁ】
【もっとレベルの低い階層から来たとか?】
【あー】
【じゃなきゃ見つかったら即おしまいだしな】
【この部屋も縦に長いし、そういうダンジョンなのかもな】
【一部吹き抜けとか、地球じゃあんまり見ないもんなぁ】
【やたら通路あるみたいだし、この吹き抜けが抜け道な構造かも】
なぜか飛べたから、そのまま上空から見える限りは排除してクリアになった空間。
怖がる子たちを置いて……行こうとしたら着いてこられたから、結局みんな下に降りてドロップ回収してくれる。
「あ、そういえばあのときの大部屋のも……」
【思い出したハルちゃん】
【あれ、ものすごい数だったからざっくざくだな!】
【ざっくざく(期待値が2割でも2000個のドロップ品】
【回収だけで丸1日かかりそう】
【子供たち全員と一緒でも大変そうだ】
【けどアイテムがたくさんで、状況はずいぶん良くなるはずだし】
【それな】
【ハルちゃんがつぶやいてたみたく、モンスターのレベル30くらいのアイテムがたくさんか】
【良いね】
【武器に防具、ハルちゃんが大好きな石さんとかスリングショットもあるぞ!】
【とりあえずで武器だけでも子供たちに回せたら相当安全ね】
【防具がしっかりするだけでも最悪は防げるし】
【ついでに服とかも落ちてるし】
【食糧も飲物もあるな】
【けど、食べものは紙袋とか木箱だし、飲物は樽か瓶】
【ドロップするのがどう見ても中世基準なんよ】
【よく分からんダンジョンドロップは同じ……ダンジョンって言う謎空間は異世界産か?】
【分からん】
地面に降りた僕がアイテム回収し始めたのを見て、子供たちも散らばって手際よくお手伝い。
……してたら遠くからモンスターが来そうだったから、僕は浮いて哨戒することに。
そうして今は、さっき拾った弓矢を使って。
……ひゅんっ。
部屋の入り口は3か所。
とりあえずこの辺で全方向見てたら入って来たところから入れ食いだ。
【さすハル】
【多分今、どこのダンジョンの中でも1番安全な場所だな!】
【部屋の中心付近で浮遊砲台なハルちゃん……】
【1パーティーに1ハルちゃんが欲しいところ】
「やっぱり数十メートルなら弓矢がいちばん楽だなぁ……」
さっき、まとめてモンスターたちを倒した光の弓矢。
放った直後にくらっとしたし、今でも結構眠くなってる。
飛んでるのはそこまででもないみたいだけども……あれはかなり魔力を使うみたい。
「あれは奥の手にしておいて、普段はドロップ品で戦うのが良さそう……かな」
【あれは正直過剰戦力だしなぁ】
【でも綺麗よね】
【また見たいな】
【分かる】
【あそこまで行くともう人間のすることじゃない感じがして……俺は今の方が良いなぁ】
【それも分かる】
【でも光の弓矢での攻撃 ぞくぞくするよね】
【分かる】
「………………………………」
上を見上げる。
さっき僕たちが居た部屋はビルで10階くらいの高いところ。
天井はさらにすっごく高くって……どのくらいなのか分からない。
これが、このダンジョンの規模。
落ちてきたときの部屋も、もはや部屋じゃなくって空間だったし……魔王さんに関係してそうなこのダンジョン、これまで潜ってきたのよりはるかに大きいんだろうね。
『あるあー!』
『のうむー!』
【ロリっ子たちが嬉しそうな顔で両手1杯抱えて走ってくる】
【かわいい】
【ショタも居ます!!】
【はいはい】
【お姉ちゃんたちは隔離部屋に行きましょうねー】
【子供たちが手際よく荷物を運搬している】
【結構慣れてるみたいだな】
【このダンジョンでか、それとも普段の暮らしでか……】
【どんな文明レベルなのかとか文化なのかとかは分からないけど……近代以前ならほとんどは農民だろうし、こういうのは得意だろうな】
【あー】
『――――――』
『――?』
『――、――』
何回かモンスターが顔を見せて、そのたびに撃ち抜いてたら安心したらしい。
もう周りを気にせずドロップ品を集めて回って……ごめんね、僕が威力とか考えないでやっちゃったから地面がでこぼこで……2人くらいが交代で壁に空いた穴に入り、多分上まで運んでる。
「……もっと威力弱められたら、もっと継戦能力が……あとなにより、この子たちがドロップの回収で大変じゃないかも」
【やさしい】
【さすハル】
【さすがは女神】
【天使だな!】
【ハルちゃんの思考のベースは「めんどくさい」だけど、人助けは積極的だもんな!】
【草】
◆◆◆
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