第29話 変えるつもりなんてない!

あれから3週間して、今日はアリスティア王国の人たちがやってくる日だ


と言っても、まだ日が昇る前の時間帯だ


変わったことといえば、帰ってきた日からいつも以上にレイが、僕と一緒にいることを望むようになった


だから今も.....


「ん.....んぅ~.....おにぃ.....」


横で一緒に寝てるし、抱き枕にされてる


.....ちなみに可愛くないわけがない!


僕は、この体になってから、娯楽として寝ることはあるけど、睡眠を必要としない体になった


だから、いつも朝まで起きていることが多い


その時は、どうやってレイを甘やかそうかとか、眷属たちをどうするかとかを考えてる


正直言って、アリスティア王国の人たちが来るからといって、僕たちの行動が変わるわけでもないし、変える気もない


まあ、前でも余裕だっただろうけど、今のクレルドは前よりもさらに強くなっているから、ちょっとやそっとのことで負けることはないだろう


それよりも、今日はレイと何をしようかな.....?


――――――

――――

――


日が昇って、レイも起きてきた


「ふぁぁ~。お兄おはよ」


「おはよう。いつもながらよく寝るね」


「うぅ.....お兄もちゃんと寝て!」


「はいはい」


と、その時


「失礼いたします。朝食の用意ができましたが入れてもよいでしょうか」


「うん。いいよ」


朝は、食堂に行くのが面倒くさいってのもあって、自室に運んでもらってレイと二人で食べている


さすがに王宮の食事ってだけあって、おいしい


「お食事が終わりましたらまたお呼びください」


「りょーかい」


ちなみにクレルドが専属侍女をつけてくれて、名前は確かヒューラだったかな


どこかの伯爵令嬢の四女とかだと聞いた


めちゃくちゃ忠実に働いてくれる


.....まあ眷属にしたいかって言われたら微妙だけど、どうせ僕は人間を眷属にする気なんてないし、レイ次第かな


そして、いつも通り、食べ終わって、片づけてもらって、レイとライムと戯れていたら


「皇帝陛下がお二人をお呼びですので一度執務室まで来ていただけますか?」


なんだろう?


あ、アリスティア王国の人がもうすぐ到着するとかかな?


「ん、わかった。すぐ行く」


まあ、周りから見たら、僕たちと皇帝の関係って何?って思われるだろうなあ


っと、余計なことは考えずに、さっさとクレルドの執務室に行くとしますか


――――――

――――

――


「や、来たよ。それで要件は?」


「ああ、ありがとうございます。それで以前言ったアリスティア王国の人たちが今日の朝早くに帝都に入ったということを聞いて、もうすぐこちらに到着するということを一応伝えようかと」


「だろうと思った。ま、了解したよ。適当に頑張ってね。一応、ライムを通して見ておくからさ」


「.....わかりました」


最後何か言いたげにしていたけどそんなの無視だ、無視


まあ、なんとかなるでしょ、うん



――アリスティア王国王太子ラートの視点


俺は次期王になる人間だと自負している


なんせ、俺は王になるための良い頭脳と広い器を持っているからな!


本来あるべきはずのアリスティア王国は、父のせいで腐ってきていた


地上を支配するのは唯一神に認められている人間だというのに、父は、獣風情の扱いを人間と同じようにしようとするなど.....なんと愚かな


まあ、その罰が下ったのだろうが、今は床に伏している状態だ


だから、今のうちに、次期王としての基盤を作り上げるために、俺が国を仕切っている


そして、2つしての義妹であるラージュも俺と同じく頭がよく、俺の執務の手伝いをしてもらっている


彼女は側室が産んだ娘である


我が国は、王家の血を途絶えないようにするためにも、正妻の承認のもと、最低でも1人、多くても3人までの側室を取ることができる


父は1人しかとらなかったようだが


側室の子は正妻の子よりも王位継承権が高くなることがない


だから、ラージュには今俺の補佐についてもらっている


そして、幼いころからの親友に今国を預け、大切ない会談に向かっている最中だ


本当は向かうだけでも嫌だが、あの国は獣風情に人権を認めている


道中、野良を自由に歩く獣を見るだけで斬りたくはなるが、他国で問題を起こせば、会談が不利になってしまう


今はまだ、我慢の時だ


会談を成功させた時には......

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双子は異世界で自由に生きたい! みたくししょー @Mitakusisyo-

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