第28話 もう1人にはしない!

「ただいま~」


「っ!おかえり!お兄!」


本来は4~5日で回る予定だったのが、結果8日と結構時間かかった


一応変えるのが遅くなることはレイに伝えていたから、あまり心配はしてないみたいだけど、それでも一人は寂しいよね


僕もライムがいるとはいえ、やっぱり一番はレイだから、寂しかったな


「お兄、もう一人で行かないで」


「そうだなあ。次からは時間かかっても一緒に行こうか?」


「うん!」


どうせ僕たちはほかの人よりもはるか長い時間は生きられるだろうし、時間なんて気にする必要は....ないか


次からはちゃんとレイと一緒に行こう


もうだいぶ治まったと思ってたけど、やっぱり、親に見放された記憶は、いつになっても忘れられないか.....


僕は、親に見放されたと分かったころから、レイだけ他を犠牲にしても何が何でも守るって心に決めてるから。親なんてものはどうでもいい


「お出迎え遅くなって申し訳ない」


「ん?クレルドか。別にお出迎えとかいらないけど。あ、ちゃんと帝国全土を監視下に入れ説いたよ。後は、気になるところを思い浮かべれば、脳内に映し出されると思うよ」


「本当か!ありがとうございます!」


「いいよ、別にそれくらいは」


「あ、それとお出迎えを送れた理由についてですが.....」


「ん?そんなのどうでもいいんだが.....」


「一応、耳に入れておいてほしいので、伝えといたほうがいいことなのですが」


「まあ、別にいうなってことじゃないから、言っても全然いいよ」


なぜ、そこに許可を取ろうとするの.....?


「実は、およそ3週間後、アリスティア王国の王太子と王女、それにその国に所属する“異界勇者“がこの国に来るのです」


“異界勇者”ってのが、多分召喚勇者のことだよね?


いろんな呼び方があるのね.....


それと、アリスティア王国って言うのは.....


《解。アリスティア王国とは、今からよそ512年前にできた王国です。人間至上主義を掲げている国の一つで、その中でも食料品を多く扱っている国となっています。》


なるほど


助かるよ、AIちゃん


《.....》


こういうのには答えられないのか、答えないのか......


ちなみに、王族とか貴族とかのまともさと内政状況ってわかる?


《解。王族から貴族まで、権力と金に固執しており、賄賂や裏金などが多いです。また、政治は、派閥として、王太子派閥と王女派閥の二つがありますが、当の2人の仲は良く、王太子の仕事を王女が手伝うという形になっています。財政に関しては、多くの貴族が平民から必要以上搾取しており、平民の間では不満が不満が溜まっていますが、たまに貴族による見せしめが行われるため、強く出れない模様。人間種以外の種族は例外なく奴隷として扱っています》


うん


「はあ、腐った国か.....」


「知っているのですか?」


「ま、一応はね」


本当は今教えてもらいました


まあプライドとスキルのために黙っておこう


「そこの王太子と王女はまともじゃないの?」


これも聞けばわかるけど、ここだけはクレルドを立ててやるとしよう


「あの2人ですか.....まあ、頭、基政治に関してはぺきでしょう。あの国の王が床に臥せている今、政治に関して右に出る者はいません。しかし.....」


「しかし....?」


まあ、なんとなく、本当に、なんと―なく予想はつく


「王太子は女好き、王女は傲慢.....ですかね」


「.....やっぱり、なんとなく予想はついていたけど」


「2人とも頭がいいだけ、悪い面があっても泣く泣く黙るしかないんですよ」


「だろうね。そういうタイプが一番面倒くさい」


「.....2人のことを具体的に申し上げましょうか?」


「.....いやいい」


どうせ、王子は、貴族令嬢の可愛い子を何人も妾にしてたりしてて、王女は王女できらびやかな者だったりほしいものがあったら必ず手に入れる奴でしょうから


そこに頭がいいってなると、本当に面倒くさいな


「まあ、なるようになる。最悪は戦争する。といっても、戦争に出るのは僕たちだけだけど」


「本当に.....最悪はそうするしかないでしょうな。あまり話し合いが通じる相手でもないですし」


まあ、戦争になったらなったで、経験値とか稼げるからうれしいんだけどね


「.....お兄、そろそろ行こ」


「ああ、ごめんごめん。そういうわけだから、適当にあしらって何かあれば念話して呼んで」


「わかりました」


「それじゃ、行こうか、レイ」


「うん」


会えなかった分思う存分に甘やかしてやるとしますかね


.....僕もちょっとは甘えたいしね

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