第25話 眷属ゲット!Part.2

「じゃあ、話すけど、僕たちは帝国がは僕たちに直接攻撃しない限りは、どうこうするつもりはない」


「つまりは、先ほどの話から言えば、ゼルネス辺境伯のようにお前たちに攻撃を加えれば帝国が消えるというわけ」


「そゆこと。ま、正確に言えば、帝国自体は簡単に滅ぼせるけどめんどいからしない。その代わり、皇族や貴族が軒並み消えて無法地帯になるって思った方がいいかな」


「.....なるほどな」


実際、帝国を滅ぼすくらいなら、ライムを繰り出せば1日で生物は消えるだろう


けど、ライムをそこまで運んだり、抵抗する者がいたりなど、面倒なことが多いから、やるとしたらこの国の秩序を失わせることが一番楽だ


「.....なら、お前たちには攻撃は絶対にしないでおこう。この国の存続のためにもな」


「へえ。愛国心あるんだねえ」


「まあな。以前は腐っていたが、それでもこの国で生まれ育った。だから、我が死ぬまでは、この国をよくするつもりだ」


「ふーん、なるほどねえ。なら、老衰で死なないようにしてあげると言ったら?」


「なに?」


「僕たちのどちらかの眷属といっても、多分僕の相棒の方になると思うけど、眷属になれると言ったら?」


「.....」


「まあ、利点は、明らかに今よりも死にづらくなるし、寿命もなくなる。完全に死なないとは言えないけどね。そしたら、未来永劫と帝国の皇帝として、この国を動かせる。この国自体多種族の国だから、見た目は人間と鎌人に見えるけど、上位種族になっても問題ないと思う」


「.....ふむ」


「欠点でいうなら、僕たちの言うことは絶対になる、とはいっても、僕たちは身内には甘いからね。あまり眷属に対して強制とかはしたくないんだよ。まあ、一度人間じゃなくなったら、もう人間に戻れないけどね」


「.....なるほどな。それは、いい案かもしれない。だが.....」


「そうだね。君のいちばんは帝国なんでしょ?」


「ああ、それは間違いない」


即答だね


それほどこの帝国が好きなのか


「はあ、もういいや」


「っ!」


うん?何をそんなに緊張したような様子になってるんだ?


あ、そういうこと


僕の不興を買って殺されると思ったのかな


「別に大丈夫。殺さないよ。ただ、まどろっこしいことはやめて、正直に言おうかなって」


「なにを.....?」


「僕たちは、君のことが気に入った。だから眷属になれ。ただそれだけ。君のような人間を失うのがもったいないし、僕たちが欲しいと思ったからね」


「.....はぁ」


「ま、君が皇帝を続けるかどうかは別としても、君自体は欲しいから、拒否権はないと思ってね?」


「そこまで言われたら断れんな」


「そういってくれるとありがたいよ。ま、君が皇帝を続けている間くらいは、この帝国の守護くらいはしてあげるさ」


「そうか.....それは助かる」


「じゃ、ちょっともう一人の仲間というか、妹呼ぶから待ってね」


――――――

――――

――


――ファルニル帝国皇帝の視点


我は、その拉致された後の話し合い(?)でやってきた少女――レイ様の眷属となった


人間のころにはなかった、生命力と魔力であふれかえっていて、今はそれを抑えるのに大変だ


我の体のことは置いといても、彼らの眷属になったことで、我が皇帝を続けている間は、帝国の安泰が築かれたも同然だろう


他の者には申し訳がないが、これが帝国を護る最善の手だったと思っている


それに、どうやら、彼らは召喚兵器についても知っているらしく、この後、表向き彼らを客人として、話し合う予定になった


彼らが上位種だということはわかったが彼らがどのように過ごし、生きてきたのかなんて知っているわけではない


だが、そんな彼らにも恐らく絶対の生き方というものがあるだろう


彼らと話しているとき、シュート様の瞳の奥に小さな新年の火のようなものが垣間見えた


これでも、人を見る目はかなり養ってきていると自負しているから、それは間違いないと思っている


さて、そろそろ、彼らと話す時間だな


召喚兵器がどれだけの者なのか、不安だな.....



――シュートの視点


レイに初めての眷属をあげて、結構喜んでいた


というか何となくあの人から、皇帝の威厳以外に父性を感じた気がする.....


まあ、それは置いといて、僕自身は人間を眷属にする気なんてないから、人間に関しては、レイに任せるとしよう


それに、今回のクレルドの眷属化で実質帝国の支配ができたようなもんだ


帝国の守護という枷ができたが、それくらい安いものだ


.....まあ、守るより壊す方が得意だけどね


けど、僕たちの住処も手に入れられたし問題ない


今は、お城の侍女に連れられて、客間へ連れていかれている


さすがに、皇帝とあそこで一緒にいるのはまずいし、皇帝の客として、迎えられることになった


さて、情報自体は聞き出すことができるし、こちらの情報も一部教えるが、どこまでの情報をあの皇帝が知っているかな.....

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