第17話 ゲームスタートだ!
「「旅立ちのパーティーを始める!」」
「旅立ちの.....パーティー.....だと?」
ふむふむ、イベルタ辺境伯家の使者さんかな
ま、運悪くこの場に居合わせちゃっただけだもんね
「うん、そう!ま、簡単に言えば、僕たちがこの街から帝都に向かって旅立つのと、君たちがこの世から旅立つ前祝い?のパーティーだね」
「この世から旅立つ.....それは私たちを殺す気か!?」
「そりゃね。理由なら、イベルタ辺境伯サマが知ってるんじゃないかな?」
「.....なに?」
「ね?イベルタ辺境伯サマ?」
「.....」
「.....本当なのですか.....?」
「本当だよ。成り行きでそこのお嬢サマを助けて、僕たちに何もしなかったら、何も手を出さないって言ったのに、なぜやったかは知らないけど、そこにおいてある食事の中に睡眠薬と麻痺薬が入っていたからね」
「.....なぜだ?.....なぜ、お嬢様を助けてくださった方をそのようにしたのですか?」
「.....」
「まあまあ、積もる話はご飯を食べながら。ね?僕たちはそこの辺境伯サマと違って毒薬系なんて入れてないので安心して食べてどうぞ。急なパーティーの開催だったため、適当に焼いたフォレストウルフの肉ですけど、味は保証するので」
「フォレストウルフ.....」
「ええ、おいしいですよ。非常食用に残しておいた奴なのでそこまで数はないけどね」
僕とレイはわざと満面の笑みを見せながら皆に言う
「さ、冷めないうちに」
「食べてくださいね?」
「.....食べるしかないのか.....?」
ほお、やっぱ、この使者さん図太いねえ
「では.....」
おお、食べた!
本当に食べるのか
これはちょっと面白い人材かもなあ
イベルタ辺境伯家のみんなはありえないという目でこいつを見てるし.....
「じゃあ、そろそろ聞かせてもらいましょうか?なぜ、イベルタ辺境伯様、あなたがご息女の恩人にこのようなことをしたのかを.....」
――――――
――――
――
そこからぽつぽつと話し出した内容は同情できなくもない話だけど、だからって流れ弾を食らうのはごめんだ
曰く、
現皇帝の代替わりが近く、現皇帝次の皇帝になれば御の字。だけど違う人がなれば、それがどのような人なのかはわからない。だから、自分がなれなくても子供が皇帝になれるように、水面下で権力争いが発生している。その中で、現皇帝の次に皇帝になる可能性が高かった息子が流れ弾かはわからないが留学先で殺され、さらに、娘のアルメリアも今回狙われたということで、焦っていたところで、娘を助けた二人が圧倒的な力を持っているうえに皇帝に会いたいという。明らかに怪しいから、一旦無力化してから、速やかに二人のことを調べて何もなかったら帰そうと考えていた
らしい
「ま、運が悪かったね、としか言いようがないよ」
「本当にすまなかった。私のことはどうなってもいい。だが、うちの兵や娘、それとそこの彼も助けてやってくれないか!この通りだ頼む!」
頭を下げられてもなあ.....
「どうする?レイ」
「お兄の好きなようにしていいよ。私のやりたいことはできたし」
「そう?じゃあお言葉に甘えて.....」
いつ呼ぼうか迷っていた客を呼ぶめどもついたし.....
「じゃあ、ゲームをしましょう?イベルタ辺境伯サマ?」
「ゲーム?」
「ええ。あなたの執務室って確か玄関から一番遠いところでしたよね?」
「.....はい」
「ふふっ、なら、そこに後で皆さんを強制的に連れていきます。そのあと生き残って玄関からこの屋敷を出ることができたものはゲームに勝ち、死ねばそこまで。というものです。もちろん、僕たちが直接あなたたちに手を出すことはしませんよ?ゲームになりませんからね」
「なんだ.....そのゲームは」
「簡単に言えば、この屋敷からの脱出ゲームですね!生死を賭けた、ね」
「生死を賭けた.....」
「ええ。僕たちが敵を用意します。だからその敵をすべて倒すか逃げるかして、玄関から出ることができれば、出てきたものは助けてあげますよ。出てこなかった奴は知りませんけど。なので、今すぐ行きますよ。日が昇るまでが期限です。レイ」
「了解」
「っ!なんだこれは?!」
「くっ!放せ!」
「ほらほら暴れない。せっかく執務室まで連れて行ってあげるんだから」
――――――
――――
――
あーあ
執務室に着いたはいいけど、何人かは顔面蒼白になっているね
ま、そんなのは関係ない
「それじゃ、僕たちがこの部屋から出た瞬間からゲームスタートですよ?頑張って倒すなり逃げるなりして脱出してくださいね.....」
……
いやー!我ながら面白そうなゲーム思いついたね!
1回やってみたかったんだよね
リアル脱出ゲーム
といっても、謎解きとかは全くないけど
ちなみに、敵は.....
「《地獄門》」
おお!
演出かっこいい!
空中に紫色の穴が開いて、そこから.....
「「「キシャアァ」」」
「「「グルゥアァ」」」
ほお
地獄門から出てくる低級の無知性悪魔は虫みたいな形しているんだね
ま、それよりも.....
「適当に人間狩ってきていいよ。狩った死体はそこら辺に沸いているスライムに渡してね」
「「「キシャ」」」
「「「グルァ」」」
うんうん
いいこいいこ
ちなみに敵は。召喚した低級悪魔とライムの分身体、それと、レイの血で作り上げた喰種
低級の悪魔でも一般兵と同じくらいの力あるし、スライムは魔法と物理全てに耐性あるからなかなか倒せない
それに喰種はメイドとか使ってるから倒しにくいだろうなあ
ああ、楽しみ!
「ふふっ、楽しみだなあ!」
「そうだね!私もみんながどう動くか楽しみだよ」
さあ、ゲームスタートだ!
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