第16話 お客さんをたくさん招待!

さっきゼルネス辺境伯を飛ばしたときにわざと大きな音を出しておいた


おかげで、この部屋の外にいる使用人やら騎士が騒がしく動き始めた


「みんなが来る前に用意しないと」


「そうだね。お兄、飲み物は私の血でいい?」


「お、いいけど、なんかやりたいの?」


「まあ、やりたいことはあるけど、それよりも見た目がワインっぽくて評価高いから」


「.....なるほど。なら食べ物はアイテムボックスの中の肉を適当に焼いて出しとくか」


「じゃ、準備始めよう」


「そうだね。僕のほうも何人かお客さん呼びたいし.....」


「誰呼ぶの?」


「まだナイショ」


「むぅ、お兄の意地悪」


「あはは。まあすぐにわかるよ」


「.....仕方ない。」


まあ、僕も呼ぼうと思ってるゲストは初めてだからどうなるかわからないんだよね


「レイ、あまりこの部屋から出たくないから、この部屋に飾ってある観賞用のグラスとか使ってやっちゃう?」


「うーん、どうしよう。まあ、出てばれるのが早くなるのはよくないし、そうしよう」


僕たちがご飯をふるまってもらったこの食堂には、観賞用のグラスとか食器類がまあまあな数飾っているから、それくすねて使っちゃえば時短にもなるしね


――――――

――――

――


そうこうして準備を始めて3分ほどで大体完了した


まあ、移動とかはレイの血をめちゃくちゃ活用させてもらったけどね


血を固めてその地の上に食器類を載せてレイが操って運べば、すぐに終わった


さて、扉の前の反応も増えてきたしそろそろお客さんを中に入れようか


あ、一応の時間稼ぎとして扉全て凍らせておいたから、いまだに誰も入ってこれてないんだよね


「そこに転がっている奴を起こしてくるから、レイはお客さんを入れといて」


「らじゃ!」


さてさて、準備が終わったあたりから、多少意識が戻りつつあるゼルネス辺境伯を起こして椅子に座らせてあげますか


「おーい!朝だぞー!起きろー!」


「.....ぅん.....?」


「お?気が付いたかな?」


「っ!.....貴様!」


「まあ、そうカッカすんなって。ほら周り見てみろ。パーティの準備軽くだけどしてやったぞ」


「.....パーティー.....だと?」


「まあ、今にわかる」


こっちも起こせたしそろそろレイのほうも.....


「お兄!もう入れるね!」


「うん!」


そして、レイがゆっくり扉を開けると.....


バンっ!


案の定、一気に開かれた


「「「ゼルネス様!!」」」


「っ!お前たちいますぐここk.....ムガッ」


「はいはい、何やら、今日のメインが騒いでますけど、お客様はこちらにお座りくださいねー」


「.....お前は辺境伯様と面会していた奴か」


「ええそうですけど?とりあえず、座ってくださいね?あ、これはお願いではなく強制なので。今からほかの部屋でお待ちのお客様を迎えに行かないといけないので」


「なに?」


「だーかーらー」


「っ!グァ!」


「座れって言ってんの?」


一気に詰め寄って多分利き腕じゃない方の腕を折っておいたけど.....


さすが、隊長格の人だね


一瞬、唸っただけですぐに持ち直そうとした


「わかった?力の差は歴然なの。いつでも殺せることを忘れないでね」


「じゃ、レイ。この部屋の見張り頼んだ。ほかの部屋にいる奴ら何人か呼んでくる」


「うん!わかった。気を付けてね~」


「ほいほい~」


――――――

――――

――


うーん


とはいっても後は、僕立ち以外のゼルネスの客とアルメリアなんだよね


ま、簡単なアルメリアから連れて行くとするか


……


「こんばんは。アルメリア様はいますか?」


「.....はい。どちら様で?」


「シュートです」


「.....なぜこちらに?」


「要件を素直に言うなら、ついてきてください。食堂で、君のお父さんとか騎士の皆さんが君のことを待っている」


「どういうこと?」


「さあ?ま、行けばわかるさ」


「あ、君に拒否権はないからね?来ないというなら無理やり連れていくけど、どうする?」


「わかったわ。すぐに行くわ」


「話が早くて助かる」


ふう


ま、今が異常事態だってことくらいは予想着いたのかな?


「おまたせしました」


「じゃ、食堂行こうか。とその前に応接間によってからだから、君は先に食堂に行ってね」


「.....はい」


今となっちゃ、すっかり貴族としての威勢は僕の前ではないみたいだね


まあ、そりゃあのゼルネスが下手に出て話すほどだからね


……


というわけで、前に来た応接間に来た


「失礼するよ」


「なんだね君は?」


「僕?ああ、もう少ししたら説明するから、ついてきてくれる?」


「なぜ君についていかなければならん」


「なぜって.....」


「理由もないのについていくわけにはいかない」


「そっか.....じゃ、強引に連れていくね」


「っ!ぅぐぅ.....」


「はあ、素直にうなずいていれば痛い思いせずに済んだものを」


「な、んだ!」


「ああ、アルメリアもゼルネスもこの屋敷の騎士や側近の大半が食堂に集まっているからね。せっかくなら、イベルタ辺境伯の使いも招待してあげようかなと。優しいよね、僕って」


もう自画自賛するほど、優しいと思う


自然と笑みも漏れてくるし.....


っと、着いたね


「はい到着」


「あ、お兄!これで全員?」


「この屋敷にいる人はね。後で、もしかしたら追加で客が来るかもだけど、さっそく始めようか」


「うん!ここに.....」


「「旅立ちのパーティーを始める!」」


――――――

あとがき


投稿遅くなって申し訳ありません


12月中旬まで、学業が忙しくなりそうなので、投稿の間隔があくかもしれませんが、できるだけ3日おきの投稿ができるように頑張ります

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