第15話 旅立ちのパーティー開催!
その日の夜、僕たちはまた領主邸にやってきた
「先ほどぶりですね。おいしい料理をご用意していますのでぜひお召し上がりください」
なんかもう、俺のほうが立場上になっている気がするけど
「わかりました。では、いただきます」
「いただきます」
食べ始めて、これが何の料理かとかの説明を受けた
.....おいしいものが食べられれば満足だから、特に興味はなかったけど、どこか向こうの世界の料理に通ずるものがあった
大皿ってのはなくて全員小分けされたものだけどね
特に食べておいしかったのは、厚切りのリトルボアのステーキとライトバードの鶏肉がゴロゴロ入ったシチューだね
リトルボアってのは、成長というよりかは空気中の魔素を吸収して体が大きくなったらワイルドボアになるんだけど、その成長前、つまり魔素をほとんど吸っていない状態だと肉にほとんど不純物が混じっていなくておいしい
ライトバードは脂っこさがほとんどなくて、さっぱりしているから食べやすい
.....今度見つけたら狩って、ストレージの中に入れておこう
そういえば、なんか向こうで見た料理が多いから、どこ発祥なのか聞いたら
「今回出させてもらった料理のほとんどは、過去に異世界から来た勇者が広めたそうで、それが貴族や平民問わずして人気になったそうですよ」
「へー、勇者.....ね」
「おや?興味がおありで?」
「まあ、あると言っちゃあるけど、いい感情かって言われたらそうでもないかな」
「そうなんですか?」
「ええ、まあ」
ま、僕たちがその異世界から来たなんて言うとめんどいことになるし、レイも苦笑いしてる
「あ、そうだ。もし時間の都合がよろしければ、皇帝からの返事が来るまで、うちの兵士を鍛えてもらえますか?これ以上は死人を出したくないので少しでも、力をつけておきたいんです」
なるほどね
まあ確かに今回の襲撃で死人出たしね
でも.....
「それって、僕たちに何の利益があります?ただ単に完全に信用できない相手に手の内晒すだけになると思うのですが?」
そりゃ、そうでしょ
だって、さっきの夕食の時も顔は笑ってるけど、目は全く笑ってない上に真剣そのもので、僕たちを警戒しながらも、隙を探しているような感じがしてるからね
なんなら、少し焦ってる感じもあるし
たぶん.....
「出過ぎたお願いでした。申し訳ない」
「まあ、そのことはいいよ。けどさ.....」
辺境伯の顔だんだん青くなってきてるね
ま、当然っちゃ当然
僕とレイの機嫌が悪くなってきて、若干威圧開放してるからね
「何か待ってるのかな?」
「.....何のことでしょうか。私にはよくわかr」
「なに、寝ぼけたこと言ってるの?別れ際言ったよね?私たちに手を出したらどうなるかって」
「そ、それは」
「あ!もしかして、力で勝てなくても麻痺毒とか睡眠薬なら効くと思った?」
「あははっ!ばかだよねぇ」
「ほんと馬鹿だね。僕たちに効く薬用意するなら、ドラゴン以上に効く薬用意しないと!」
「そ、そんな.....」
「ま、この調子だと、皇帝に報告してないだろうし、ゼルネス辺境伯家滅亡の報告とともに、皇帝に会いに行くか」
「うん!そっちの方が、驚いてくれるだろうし、いい手土産になるよ!」
「じゃ、そういうことだから、君たち一家には消えてもらうね?」
「ひっ!そ、そんな。この計画をしたのは私です!ですので、どうか娘やこの屋敷の使用人たちは.....!」
「大丈夫!僕たち優しいから!」
「で、では.....!」
「君を一人寂しくあの世へ送らせない。ちゃんと一緒に行ってくれる人を呼んであげるからさ!」
「.....っぇ?」
「みんなで逝けば怖くないよ」
「そ、んな.....」
希望から絶望に叩き落された人の顔って面白いよね
「みっ!がっ」
「おっと叫ばないでね?安心しなよ?今から集めてきてあげるからさ」
「
「お兄、これなんて言ってるの?」
「さあ?喉つぶしちゃったからねえ、何言ってるかさっぱり」
「それよりも、みんなを集めて、パーティーをしよう!」
「パーティー?」
「そ、旅立ちのパーティーだよ。私たちとそこに転がってる辺境伯家の旅立ちの日だよ」
「あははっ!なるほど、それはいい案だ!ぜひやろう!」
――使者side
私はゼルネス辺境伯に次の帝都での集まりの日時を伝えに来た使者だ
だが運悪く、今ゼルネス辺境伯様にとって大切な客がきているらしく、対応が終わるまで待つことになった
ここのご令嬢であるアルメリア様は、私の恩人の息子と今度ご結婚なされるようだ
イベルタ辺境伯様には小さいころから助けてもらって今がある
だから、死ぬその時までイベルタ様に忠誠を誓うと決めた
と、その時、今ゼルネス様が対応しているであろう部屋から轟音が響いた
「なんだ!何があった!」
「わかりません!急に大きな音が響いてきて.....」
「わかった。一応、急いで装備してから向かおう」
「ああ」
何やら騒がしくなってきた
何があったんだろうか
ゼルネス辺境伯様は無事だろうか.....
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます