第13話 お久しぶりです!

昇格試験が終わって、ギルドの受付に戻ってきた


「受かったので、ギルドカードの更新お願いします」


「.....受かったんですか、あの試験」


「?はい、結構簡単でしたよ?」


「.....はあ、わかりました。ではこちらにお二人のギルドカードを」


「「はーい」」


――――――

――――

――


こうして無事AランクになったうえにSランク推薦もらえたわけなんだけど.....


「「「「.....」」」」


「「......」」


まあ、ある程度は予想してた通りだけど、ギルドの中が静まり返っているうえに、僕たちに視線が集まっている


人の視線は前世のころからなれているけど、居心地のいいものではない


みんなどこかのタイミングで自分のパーティに勧誘してくるんだろうな


「あ、ついでにGとかFではできなかったパーティー登録お願いします」


「レイさんと一緒で大丈夫ですか?」


「はい、それでお願いします」


パーティー登録って言った瞬間のみんなが息をのむ様子は面白かったね


というか、いっつも一緒にいるんだし一緒にパーティー組むことくらいわかるでしょ


「Aランクへの登録とパーティーの登録両方とも完了しました。1年以上の活動記録がない場合は、ランクが下がりますのでご注意ください」


「了解です」


「それとSランクへの推薦になりますが、ギルド本部への推薦ですので、返答までに1か月以上時間がかかると思われます」


「ほかの街に行っても大丈夫ですか?」


「うーん、この町の受付嬢としては行ってほしくないですが、仮に行かれる場合でも、各地の支部で聞けば調べてもらえると思います」


「なるほど。ありがとうございます」


なら、帝都に行っても大丈夫そうだね


――――――

――――

――


Aランクに上がってからは収入もよくなったし、たまに勧誘されるけど、そこまで、大きな事件もなく2週間が経っていた


「レイ、そろそろ今日も依頼受けに行こ?」


「うん。お金もたまってきたし、そろそろ帝都に行く?」


「そうだ.....ん?」


「どうした.....ああ、そういうことね、お兄」


「うん、そういうことだと思うよ。それにしても結構時間経ってたね」


「そうだねー、今日は依頼に行くのやめとこ」


「うん」


さてさて、何を言われるのかな?


――――――

――――

――


「こんにちは。ゼルネス辺境伯の者です。辺境伯様があなた方をご招待されていますが、お時間は大丈夫ですか?」


「ええ、特にこれといった予定もないので行きましょう」


「わかりました。ありがとうございます」


ふむ、お屋敷に招待とな


何が起こるのか楽しみだなー


「では、表のほうに馬車を用意していますので、そちらの方にお乗りください」


「ありがとうございます」


……


うーん、馬車に乗ったはいいんだけど、座るとこが硬くて尻が痛い


レイも同じことを思っているのか、若干顔を歪めている


ま、無言もいいけど、少しは情報を集めておきたいから、向かいに座ってる使者にい聞いてみるか


「それで、僕たちはどうなるんですか?」


「申し訳ありますん。私もまだ詳しくは聞いておらず、御当主様からはお二人を見つけ出して、丁重に連れて来いとしか言われてないので.....」


「なるほど。ありがとうございます」


まあ、見た感じ執事とかでもなさそうだし、下っ端文官だったりするのかな?


ちょっと失礼.....


なるほどね


この子、妾の子か


ま、こういうのに出されるのは妥当だね


――――――

――――

――

しばらく馬車に揺られていたら、急に止まった


ついたのかな?


「お屋敷に到着されました。御当主様に失礼のないようお願いします」


うーん


お屋敷を近くで見た感想、でかい!


遠くからでも、結構大きく見えるけど、近くに来ると余計に大きく見える


小国だったらこれが一国の城くらいの大きさはある


「ただいま戻りました。セバ。それと、御当主様に頼まれたお二人を連れてきました」


「お疲れ様です。あなたはここで、通常業務に戻りなさい。ここからは私が案内いたします」


「わかりました」


待遇は悪くないみたいだし、上司と部下って感じなのかな、多分


「お待たせいたしました。ここからは私が旦那様の元へご案内いたしますので、ついてきてください。お屋敷は広いので離れると迷われるかと思いますので」


「「はーい」」


そんなわけで、多分ゼルネス辺境伯の執事セバに連行(?)、案内されている


というか、絶対セバスって名前もってそうだよね


……


「旦那様とお嬢様、例のお二人を連れて参りました。入ってもよろしいでしょうか?」


「かまわん。二人を連れて入ってこい」


「かしこまりました。お二人ともなるべく粗相のないようにお願いします」


扉が開かれると、質素だけど、質のよさそうな服を纏ったダンディーなおじさんと、この間会った少女がいた


「はじめまして。僕がAランク冒険者シュート。こっちが妹のレイ。同じAランク冒険者。レイはちょっと人見知りだから、あんまりしゃべれなくても許してくださいね」


「ああ、かまわん。それよりも娘を助けてくれたことを感謝する」


「ええ、別に気にしなくてもいいですよ、と言いたいですけど、お貴族様ですし、そういうの気にしますよね。それと、お久しぶりです、アルメリア様?」


「「っ!」」


「.....ええ、お久しぶりですわ。それよりも.....」

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