第12話 試験受けよ!

――アルメリアの視点


先程の二人は本当に何者なのかしら?


私――アルメリアは隣の領地にいる同じ辺境伯家の長男ウルス・イベルタ様との婚約発表のパーティーに行っていた。その帰りまさか、ここら辺と縄張りとしている「餓狼の天上」と呼ばれる、落ちぶれた冒険者などが集まった、野盗に襲われた


元冒険者だけあって私の護衛を務めていてくれたゼルネス家の兵士たちでも人数の差にはさすがに押されていたわ


でもそこに現れたのがあの二人


見た目は人間だけど多分魔人族だと思うわ


だってあの見た目の年齢して、ありえないほどの力を持っているのですから


それにあのスライム、見た目は他と同じだけど、本来の捕食の域を超えているのがちょっと怖いわ


でも、せっかくなら専属の冒険者にしたいところだけど、打診だけはしてみますわ


――シュートの視点


ライムに人間を食わせた後、ゼルネスの街に戻ってきた


ちなみにレイは吸血鬼で多少吸血衝動があるけどそこら辺の人からは血を摂ることはない


というか摂らせたくない


だからたまに僕の血をあげている


話を戻して


「ただいま戻りました」


「おかえりなさい。大丈夫でした?二人の実力からして時間がかかりすぎだと思うんですが.....」


「あはは、そこまで強くないですよ。ただ、近くでお貴族様.....おそらくここの領地のご令嬢が野盗に襲われていたので、適当に野盗を殺してきただけです」


「.....はい?」


「だから、野盗を殺してきたって」


「.....はぁ、あなたたちはまたとんでもないことを」


「?」


「まあ、いいです。いや良くないですけど、領主様に伝わっているのならいずれこちらにも話は来るでしょうし.....」


「それで、依頼のフォレストウルフ出したいんだけど」


「ああ、裏の解体場に出しておいてください」


「了解しました」


「前回同様、解体料差し引いて報酬渡せばいいですよね?」


「はい、それで」


――――――

――――

――


それから、裏の解体場に出して、宿に帰ってきた


他の人よりの少しはや時間帯だから、まだ人は少ない


で、昨日と同じような感じで過ごして、さらに1日が過ぎて、今日が昇格試験の日


あれ以来、貴族の使いの人とかは時に来てない


ま、面倒ごとにならなくてすんでいるしありがたい


「こんにちは。昇格試験受けに来ました」


「こんにちは。わかりました。隣の闘技場に来てください。そこで試験を受けます」


「了解です、レイもいこ」


「ん」


――――――

――――

――


場所は変わって闘技場


たまに冒険者同士のいざこざで決闘が行われたり、昇格試験とかして、平民の娯楽になっている場所


「それでは、ただいまからFランク冒険者シュートと、同じFランク冒険者レイの特別昇格試験を始める」


さすがにいつもの受付嬢とは違う人だったけど、元冒険者のギルドスタッフみたいだね


「試験のルールは、ギルド側が用意した、E~Aランク相当の魔物との戦闘試験。魔物は同時に放たれるため、危険だが、こちらもそれらの魔物を倒せる冒険者を念のため配置している。倒せた魔物に応じて、ランクを決めさせてもらう。すべて一人で倒せた場合はAランクにしたうえでSランク推薦を出すことにする。以上だ。質問はあるか?」


「ない」


「.....ない」


「よし。それじゃあ、シュートから始める。位置についてくれ」


……


ふう、楽しみだなあ


「ついたよ」


「よし。それじゃあ試験を開始する!魔物を解き放て!」


おお、始まった始まった


うーん、そこまで強そうなやつはいないかなあ


弱いやつはゴブリンから強いのはオーガキングまで合計25体


さすがにジェネラルは入れなかったみたい


別に入れてくれてもよかったんだけどね


とりあえずあまり手札を見せたくないし


「《雷纏水槍》×50」


……


さすがこの技


水と雷を使って感電効果も付与してあるから単体でも範囲でも効果力出せるから便利


初めての依頼の時に思いついて、フォレストウルフの時にやってみたら意外とうまくいってそれ以来この技にはまってる


「.....」


はあ


また固まってる


「おーい、試験官」


「っ、ああ、試験は、終了だ.....」


「じゃ、次レイ頑張ってね」


「うん」


僕の分は終わったし、レイの戦いを観戦でもしますか


「それじゃあ、次のレイの試験を開始する。魔物を!」


おお、始まった


レイは剣だけで行くみたいだね


レイは基本的に刀の二刀流で、たまに剣に属性纏わせて切っている感じなんだよね


あれ純粋にかっこいいな


それに剣も血を固めて作っているから、いつでも簡単に収納できたり、血液魔法も剣の先から出せて便利そうで羨ましい


あ、もうそろそろ終わりそう


……


「し、試験終了.....。こ、これにて、Fランク冒険者シュートと玲衣の特別昇格試験を終了する」


こんな見た目子供の2人が大人顔負けの実力持ってて、魔物をほぼ瞬殺できるなんて思ってなかったんだろうな


多少いた観客も口開けてポカンってしてるし


ま、そんなことはどうでもよくて、無事試験合格できてよかった


あとは受付に戻ってギルドカード更新してもらおーっと

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