第11話 貴族と初対面!

レイに、頼んで反応があった方に案内してもらったら.....


「おら、おめえら、周りの兵どもは全員殺せ!女は殺すなよ!」


「おう!」


「今回の獲物はどんな味がするのかなあ?」


「お貴族様なんだろ。なら上玉だろ!」


「だよなあ!」


うわあ、いかにも野盗って感じだなあ


ここまでくれば常時展開してる魔力察知で確認することができるけど、野党は50人前後はいそうなのに、兵は20未満しかいない


うん、絶望的だね!


「ねえ、お兄」


「ん?どした?」


「私たちって見た目10歳くらいなの忘れてない?」


「あっ、そういえば。このまま出て行ったらなめられるよね」


「絶対にねー」


「ま、でもしょうがないでしょ。どうせ今後もこれでなめられることあるだろうし」


「それもそうね。どうせ時間が解決してくれるだろうし」


「だといいけどね」


レイは、ちゃんとした肉体を持っているから成長するだろうけど、僕は、精神生命体になっているから成長するかわからないんだよね


おっと、そろそろ行こうかな?


「どのタイミングで行く?」


「うーん、どうしよう。別に兵は死んだとしてもいいんだけどね」


「そうなんだよねー」


「お貴族様だけ助けて、僕たちは報酬おいしいごはんをもらう」


「じゃあ、兵が半分くらい死んだら行く?」


「そうだね、そうしようか。後ろから野盗狩りしていって、馬車に近づくって感じでいいよね?」


「りょーかい!」


――――――

――――

――


うーん、兵士が10人くらいやられたけど、野盗も20人くらいは減った


なかなかに兵士たちは手練れみたいだね


ま、でも数の暴力


人数には勝てなさそう


「レイ、そろそろ行こうか」


「そうだね、行こう!」


気配を消して隠れていた気の上から飛び降りて、気配を出したうえで、野盗たちの真ん中を行く!


「レイは左半分、僕は右半分でいい?」


「おっけー」


「《雷纏水槍》×15」


「《血鎌》、《血針》×10」


「な、なんだこのガキどもは!」


「どうもー、冒険者やっている子供だよ」


「ねえ、兵士さんたち」


「な、なんだい?君たちは」


「私たちのことはどうでもいいけど、こいつら全員やっていい?」


「こんな小さな子供にできるのか?!」


「さっきの見てなかったの?」


「.....さっきの?」


「ほら、そこら辺の親玉以外全員倒れているでしょ。あれ私たちがやったけど?」


「.....」


レイさ、そんなこと言ったら誰でも固まるでしょ.....


「おーい、兵士さんたち―?」


「.....はっ!ああ、できれば親玉だけ残してくれるとありがたい」


「そう?わかった。だってさ、お兄」


「らじゃー」


「なんなんだよお前らは!急に現れて、仲間を殺していって!」


「へえー仲間想いなんだね」


「うるせえ!」


「ま、いいや。殺さないでって言われたし、寝ててね?《雷球》」


「ガアアァァ」


はい、終わり


うーん、人間ってこんなに弱いのかな?


「レイ―、終わったよー」


「お兄、お疲れ」


「レイもお疲れー」


「兵士さん、これどうぞ。野盗の親玉らしき人」


「.....ああ、ありがとう。感謝する。それよりも君たちh.....」


おっ?馬車から降りてきたけどお貴族様かな?それもご令嬢なのかな?


見た感じ、15歳くらいかな?


軽くパーマがかかっていて、薄いピンクが混ざったような金髪にエメラルド色の瞳、綺麗なドレスを着ている


THE・貴族って感じだね


「っ!お嬢様なぜ馬車から?!まだ安全の確認を取っている最中ですので.....」


「いえ、それよりも、私たちを助けてくれた方に感謝を。そこの二人、私たちを助けてくれてありがとう。身分は今は明かせないけど、お礼はいずれさせてもらうわ。二人ともゼルネスを拠点にしているのでしょう?」


「ええ、まあ。助けたのはたまたま近くで依頼受けてただけですし」


「謙虚なのね」


「別にそんなことないです。それより、そこの死体いらないならもらっていいですか?」


ま、これ言ったら、明らかに眉を顰めるわな


「.....何に使うのかしら?」


「僕たちの従魔の食糧ですよ。ほら、ライム出ておいで」


うん、やっぱりかわいいわ


動くたびにプルプル揺れる姿はもう癒されるわ


後ろで、レイもわずかに顔を綻ばせているしね


「スライムが人間を食べるとでも?」


「この子は結構何でも食べますよ」


「.....そうね、いくらかはお父様への報告のためにもらっていくけど、それ以外はここに放置することになるしその分は上げるわ」


「そうですか。ありがとうございます。それとお礼っていうのは?」


「それは、お父様と相談してからね」


「そうですか.....。ま、いいか。では、僕たちはこれで」


「ええ、ではまた。あ、そうだ、恩多たちの名前聞いてなかったわね」


「そういえばそうでしたね。僕がシュート、後ろにいるのが妹のレイです」


「シュートにレイね。二人とも今回は本当にありがとう。では、またいずれ」


「はい」


「.....はい」


――――――

――――

――


軽く挨拶をして、さっきのご令嬢と別れた


「レイから見てどう思う?ゼルネス辺境伯長女アルメリア・ゼルネスは」


ま、個人情報保護なんて、この世界にはない


鑑定すれば相手のことの客観情報なんてすぐにわかる


「うーん、気が強そう。敬語使ってくれてもいいのに。それに、相手の情報なにも明かさないのにこっちのことは聞いてくる。お兄は?」


「あーそれね。別に見下してるってわけじゃなさそうだったけど、命の恩人であっても平民への対応は崩さないって感じかなー」


「貴族としてのプライドは高そうね」


「そうだねー、でもまあ、周りにいた兵士たちは、彼女に、いや彼女の家に対してかな?心から忠誠を誓っているように見えたよ」


「へー、ま、お礼の内容次第でどんな家かある程度わかるでしょうね」


「そうだね、AIちゃん使ってもいいけど、使いすぎたら面白くないしね」


そんなこんな、レイと雑談しながら、あのご令嬢が去った後、集められた死体をライムが吸収するところを見ていた

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