第9話 おやすみ!

レイと合流した後、お金をもらうためにギルドへ戻ってきた


他の人よりは早い時間帯だと思うけど、宿とらないといけないからね


「ただいま戻りました」


「あっ、お帰りなさい。シュートさん、レイさん」


「ただいま」


「こんな短時間で取れてこれたんですか?見たところ何も持ってないよですけど.....」


「あ、はい、もうめちゃくちゃとってきましたよ」


「え?本当ですか?とりあえず買取の台に行きましょうか」


「あー、全部乗るかな?」


「何か言いましたか?」


「いえ、なんでも」


「じゃあ、とりあえずここに出してください」


めちゃくちゃ懐疑的な目を向けられてるけど、まあ、ストレージに全部入れちゃってるからね


多分ストレージ見せたら驚くかな


「じゃ、遠慮なく」


……


「.....」


あ、思った通り固まってるね


「あのー.....」


「はっ、すいません。というかなんですか!これは!」


「薬草とスライムの核だけですけど」


「いや!この短時間でこの量はおかしいでしょ!」


.....なんか真面目キャラ壊れてきてるね


「それに、アイテムボックス持ちだなんて聞いてませんよ!」


「そりゃあ、言ってませんし」


「まあ、そうですよね......ん?さっき薬草とスライムの核だけって言いました?」


「はい」


「じゃあ、ギルドを出る前に言っていたゴブリンは?」


「いますけど、ここじゃ多すぎるので」


「.....なるほど。なら、裏の解体場に出してきてください」


「私はここにあるものを精査しないといけないので」


「なら、レイの分もお願いしますね、これと同じくらいあると思うので。じゃ、裏のほうに行ってきまーす」


「.....え?」


最後のきいて死んだ魚のような眼をしてたけど、仕事だって割り切って頑張ってもらおう


――――――

――――

――


「さっきのすごかったね。というかあの顔、ちょっと面白かったけど」


「そうだね。お、着いたみたいだよ、レイ」


「うん、じゃ、またお願いね」


「らじゃー」


ふむ、まあ、解体場な訳だけあって結構血生臭いね


「すいませーん」


「ん?どうした坊主?」


「ここに出せって言われて」


「ああ、なるほど。なら、向こうのほうに出してくれ。こっちの仕事がもうすぐ終わるからそれが終わったら、捌いてやるよ」


「ありがとうございます」


「おう、金のほうはどうする?」


「素材は全部買い取ってもらっていいですよ。といってもゴブリンですけど」


「まあゴブリンでもありがたいもんはありがたい」


「そうなんですか?」


「ああ、基本的に街を動かすためには魔物が必ず持っている魔石が必要になるからな」


「なるほどー」


「じゃ、素材は買い取ったうえで、手数料抜いて報酬渡すようにしとくぞ」


「うん」


「ま、使うの初めてっぽいし、出すとこまでは面倒見てやる。どうせアイテムボックスとかなんだろ」


「へえ、おじさん詳しいね」


「まあな。これでもこの仕事が好きで20年はやってるからいろんな人見てきてんだよ」


「ほーすごいね」


「ああ、じゃ、ここだな」


「おっけー」


ゴブリンだけで400匹くらいいるけど大丈夫かな?


ま、いいや


頑張ってもらおう!


「レイも一緒に出しちゃおう」


「うん」


「.....」


まあ、そうだよね


さっきの受付嬢も固まっていたし、おかしくはないか


「.....おい、これ全部か?」


「そうだよ!頑張ってね!」


「.....ああ。とりあえずこの札もっておけ。明日また来て受付にその札出してくれれば、金を出すよ」


「ありがとう!またねー」


「ああ.....こんなにあるのか.....」


最後何か言っていた気がするけど気にしない!


――――――

――――

――


「それじゃ、宿探そっか」


「そうだねー」


「いい宿あるといいなあ」


「お兄的にはどんなとこがいいの?」


「ベッドがフカフカなところ」


「うわーむずかしそー」


「でも、帰り際、受付の人から、薬草とスライムの核だけで大銀貨1枚とちょっと稼げたんだし、ある程度はいい所行けるでしょ」


「ま、そうだね」


ちなみに、この世界の通貨は


一番下が銅貨

銅貨10枚で大銅貨1枚

大銅貨10枚で銀貨1枚

銀貨10枚で大銀貨1枚

大銀貨10枚で金貨1枚

金貨10枚で大金貨1枚

大金貨100枚が白金貨1枚

白金貨100枚で黒金貨1枚


ってところだね


白金貨以上は国や大商人が使うレベル


一般人が見かけることなんて全くと言っていいほどない


――――――

――――

――


結局僕たちは、白猫の拠り処っていう宿に泊まることにした


ごはんはおいしいし、風呂は共同だけど、ベッドはふかふかだから結構満足


それに、今まで野宿なだけあって、気を抜くことはできなかったから、ちゃんと休むのは久々


体が幼児化したこともあって、ベッドは2つあったけど子供の頃みたいに一緒に寝るつもり


あっ、今もはたから見たら子供か


ま、そんなこんな、完全には気が抜けないけど、のんびり休めるね


「明日からも頑張ろうね、お兄」


「うん、まだまだ遊びつくしてないし楽しみだよ」


「そうだねー、また明日からのためにもう寝よっか」


「そうだな。おやすみ、レイ」


「おやすみー、お兄」


明日からまた始まる楽しいことに想いを馳せながら眠りに落ちていった

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