第1.5話 一方その頃の他の人たちは..... Part.1

――勇者の視点


唐突な光が収まって周りを見ると、神殿のような場所にいた。


ざっと周りを見渡すと、俺以外にも結構な人数がこの場所にいた。


けど、どう考えても、あの時校庭にいた人数とは合わない。


しばらくすると、法衣を纏った人がぞろぞろと今俺たちがいる場所に入ってきた。


はじめはテレビのドッキリ番組だとか考えていたけど、入ってきた人の話を聞いてるとどうもここは異世界らしい。


話を聞き始めた頃、周りにいる人は、


「誘拐だ!元の場所に帰せ!」


とか


「おぉ~、ここが異世界か!チーレムになってやる!」


とか言う人がいて、場は騒然としていた。


法衣を纏った人の中でたぶん1番偉い人が代表して話してくれた。


長々とどこかの校長のように話していたが、まとめるとこんなことを言っていた。


1.ここは俺たちが元居た世界とは異なる世界で「アイディル」と呼ばれる世界らしい。

2.俺たちは、女神プレジュディーツが認めた超越者らしい。

3.超越者とは人間でありながら、他とは一線を画す才能の持ち主で、「アイディル」には数えられるほどしかいない

4.これから俺たちは、職業の適正判定を受けて、いろんな国に配属されるらしい

5.この世界は今、魔王が封印から解き放たれ、魔王を中心に瘴気が発生して、動物が魔物に変化したり、魔物が狂暴化しているから、魔王を倒さずとも再び封印してほしい

6.帰る手段は法衣の人たちにはわからないが、この依頼達成とともに希望者が女神によって元の世界に帰すことになっている


最初の3つ目まで話していた時は、みんな盛り上がっていたよ。


けど、残り3つを話されたときのみんなは、どこか沈んでいた気がする。いや間違いないね。


さてと、法衣の人たちの話が終わったことだし、ここにいるみんなで、これから職業判定に向かうらしい。


どんな職業になることやら.....


――――――

――――

――


結果から言うと俺の職業は「光の勇者」だった。


職業としては最高位らしい。


まあ、ある程度は予想してたし、向こうの世界でもあれ程度はラノベをオタクの友達に読まされていたしね。


まあ、その友達もこっちの世界に来てたみたい。その彼は「翻訳者」。


ぱっと見、役に立たそうなやつだけど、読めない文字は「神語」というもの以外に存在しないみたいだからね。


おそらく、どの城にもある古文書とかの翻訳任されると思うね。


あっ、そういえば、「光の勇者」になるの予想してたとか言ったよね。


それはね、俺の名前からしてもうそうなんだよね。


まだ自己紹介してなかったけど、高校3年生で、生徒会長の天川勇輝あまかわゆうき


.....どう?めちゃくちゃ役職にマッチしてるでしょ。


まあそんなことは置いといて、俺は、いや俺たち、最高位の職業になった、5人は神聖国スレアテスに所属して、パーティを組み訓練して魔王の封印しに行くことになった。


ちなみに、僕以外の4人は、大賢者の姫野百合ひめのゆり、聖女の乙川凛おとかわりん、剣聖の宮嗣祐誠みやつぐゆうせい、魔法拳闘士の谷嶋崇継やしまたかつぐ


まあ、全員小学校のころからの幼馴染だったから結構れしかったよ。


さてさてこれからの旅、勇者になったからには、人助けはできるだけしながら、魔王封印まで頑張っていけたらいいな。




――法衣を纏った人の長の視点


ふう、やっと終わった。


召喚した超越者たちへの説明は神経を使わされる。


何せ、力の使い方がわかっていなくとも地力は彼らが上。


本来ならば、枢機卿の方々が説明を行うはずだったのだが、想定よりも多い人数の召喚が行われたおかげで、枢機卿の方々は力尽きて休んでおられる。


まさか用意した、贄が予定の3倍にぼ上ったとはな。


だから、大司教である私に仕事が回ってきたのだが。


まあいい、年限至上主義のこの世界に人間の上位種である超越者が大量に手に入った。


確か、150人くらいだったかな。


これで、魔王を封印したうえで、亜人や獣どもの国を支配下に置ければ、われら人間種の長きにわたる念願が叶う。


大量に入手できた超越者たちはうまい具合に各国に引き渡すことができた。


まあ、彼らには少しだけ同情するが、われらの役に立ってもらわなければな。


さてさて、これから忙しくなるぞ。勇者たちの教育に、超越者たちの管理。そしてゆくゆくは、世界の覇権もわれらに.....


くっくっく。今から楽しみになってきた。


おっと、その前に、枢機卿や各国の王の方々に報告しなければな。

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