第22話 乃蒼は命を奪われた(乃蒼視点)

 気分転換のために、一人で歩いていた。ちょっとくらいは散歩しておかないと、体がなまってしまう。


 自販機の前で、喉元に包丁を突き付けられる。


「おまえ、俺の心を弄んでいたんだな」


 乃蒼は恐怖のあまり、後ろを振り向くことはできなかった。


「お前を絶対に許さない。殺してやる」

 

「た、たすけ・・・・・・」


 乃蒼の願いは届くことなく、男に喉を切られた。出血量の多さから、もう助からないことを悟った。


 意識が遠のいているときに、だましてきた男たちの顔が浮かんできた。こんなことになるのであれば、徹底的にやっておけばよかった。社会復帰できないようにしておけば、殺されることもなかった。


 乃蒼は10代にして、息を引き取った。写真集で獲得した、数億円は使用する機会すら与えられなかった。

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