第14話 写真集の評価を見る(乃蒼編)
350万部の写真集を売り上げたものの、もやもやとした感情が残っている。私くらいの美人なら、0が後ろに1個、2個つくのは当たり前。日本人の大半は、私の魅力に気づいていないらしい。
乃蒼様と呼ばれるのはいいものの、接近されるのはうっとうしい。あいつらのせいで、貴重な時間を大量に奪われた。
写真集の評判を知るため、インターネットの口コミサイトを開いてみる。
平均評価は3.4となっていた。あまりに低すぎる評価に対して、パソコンの画面をグーパンチで軽く殴る。私を陥れるために、故意に評価を下げているのかなと思った。私の魅力からすれば、5点満点以外をつけるのはありえない。
乃蒼はコメントに目を通す。
「容姿はまずまずといったところかな」
容姿はまずまずだと。私くらいの美人は、地球上にほとんど存在しないはずだ。
「不細工、期待外れ」
350万枚の写真集を売り上げた女性に、不細工、期待外れだと。私の前の前に現れたら、コテンパンにしてやる。
「スタイルだけはいいかな。顔については低レベル」
スタイルよりも、顔に自信を持っている。それをけなすとは、けしからん輩だ。
「裸になって初めて、人間としての価値があるレベル。○○○○、○○○○からすれば数ランク劣るよ」
○○○○、○○○○は確かにすごいけど、そこまでいうことはないだろ。
「性格は腐ってそう」
私のような心のきれいな女性は、地球上にはなかなかいないぞ。お前たちの人を見る目は、腐っているのではないのか。
確固たるものを持っていないから、欠点をあらさがししようとしているのか。底辺にいる輩は、完全に腐りきっている。
「350万冊の売り上げは、凡人ではなかなか難しい。彼女自身に魅力があったからこ
そ、これだけ売れたと思う」
魅力のない女は、本を手に取ってもらうのも難しい。こいつはそのことをよく理解している。
「写真集の販売枚数は、彼女の魅力を示すには十分すぎる」
「最高レベルだ。100年に1人の逸材だ」
「期待の大物だ。これからがとっても楽しみだ」
自分のことをわかってくれる人がいる、そのことに対して大きな感動を得ることとなった。
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