第13話 乃蒼に声をかけられる
豊は帰宅しようとしていると、乃蒼に声をかけられた。
「豊君、帰りましょう」
「却下・・・・・・・」
「私と一緒に帰ったら、いろいろなものをおごってあげるよ。写真集の売り上げの印税で、大金をゲットしたのよ」
350万分も売り上げれば、大量の印税をゲットできる。金額は分からないものの、億に到達している可能性は高い。
「私と交際したら、いろいろな恩恵にあやかれるよ。どの女と交際するよりも、メリットを受けられるんだよ」
ほんのわずかなメリットに、計り知れないほどのデメリットがついてくる。大金を得たとしても、交際する利点は皆無だった。
「別にいいよ。一般人として生きていくから」
豊、乃蒼の周りに、たくさんの男が寄ってきた。
「乃蒼様、彼氏にしていただけないでしょうか」
「乃蒼様、おつきあいさせてください」
「乃蒼様、僕の方がお似合いだと思います」
「乃蒼様、お願いします」
お金、体目的で、女に近づいていくウジ虫たち。写真集350万枚女よりも、穢れて見えてしまった。
乃蒼は男たちを一蹴した。有名人になったことで、より傲慢な女になってしまった。
「あんたたち、私では人間の格が違うの。きやすく声をかけてこないでよ」
男たちはフラれても、めげることはなかった。
「乃蒼様に気に入られるように、精進させていただきます」
「乃蒼様に好きといわせてみます」
「乃蒼様の男になってみせます」
「男磨きをして、パートナーになってみせます」
乃蒼が行動を制限されている隙を逃さす、豊は教室をあとにする。男たちに囲まれているからか、追ってくることはなかった。
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