第5話 美穂とやり取り
乃蒼の相手をしたことで、おおいにメンタルを消耗していた。
見た目は100点だけど、中身は0点をはっきりと下回る。小説の世界ではよく目にするけど、現実にいるとは思わなかった。ああいう設定は、創作の世界だけで存在すると思っていた。
背伸びをしていると、ラインを受け取る。
「豊君、メンタルは落ち着いている?」
美穂にすぐさまラインを返した。
「まあまあといったところだよ」
「あんな女に付きまとわれて、大変な学校生活だね。私だったら、登校拒否してしまいそうだよ」
「あんなのは適当にあしらっておけばいいんだよ。いつかは飽きて、やってこなくなると思う」
あの女の性格からして、他の男にちょっかいを出す確率は高い。そうなれば、自由をすぐに取り戻せる。しばしの我慢で、あの女とのかかわりあいをシャットアウトできる。
「私が同じようにしたら、どんなふうになると思う?」
「美穂さんを大嫌いになって、顔も見たくないと思うかな」
「そうだよね。冗談半分で交際するのは許せないよね!(^^)!」
恋愛をするからには、最低限の礼儀は持ってほしいところ。遊びでやるような奴は、人間として論外である。
「豊君、これから遊びに行こうよ」
「美穂さん、どこにするの?」
「○○○○にしようか」
「わかった。すぐに準備するね」
「数年ぶりに手をつなげるといいな( ^)o(^ )」
「それは・・・・・・」
小学校時代はいろいろな女性と親しくしていたけど、中学校に上がった途端にほとんどは距離を取っていく。そんななか、美穂だけは親密な付き合いをしている。彼女のポジションは親友以上、恋人未満に落ち着いている。恋仲になる日はやってくるのだろうか。
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