第19話 愛が重い彼女は色々と敏感

 紫音さんよりも15㎝くらい背の高い、僕の彼女の麻友。モデルのような体型で本当に立ち姿が美しい…。今回はさらに、


「どうかしましたか?優樹さん…。」


 今は真面目な麻友なのに、髪が金色になっていて、改めて、ギャル妹とは違う雰囲気に見とれていたら、声を掛けられてしまった。


「紫音さん、さっきから…、反応ありませんね。」


 麻友の脇に抱えられた紫音が気絶したかのようにグッタリしている事を気にしていると、


「確かに、尻尾を抜いたら、魂が抜けたかのように大人しいですね。耳は取れないのに、変な体ですよ。あっ、血は出ていないし、穴を確認しましたが、すぐにでも新しい尻尾の先が出て来そうですよ。ただ、女性の臀部なので、優樹さんにはお見せ出来ませんが…。」


 彼女はそう言って、紫音の尻尾の穴は見せれないと話してきた。


「いえ、女性の体は麻友さんの綺麗な体を見せていただきましたし、触らせて頂いて、性教育まで教えて下さっているので、満足しています…。」


 女性の体は麻友とお風呂に入った時に色々とさせてもらってるから、他を見たいとは感じない事を話した。


「はい、その事なんですが…。優樹さんは過去に女性の体で苦い思いをなさったりしておりませんか?例えば、10代前半の時に裸の女性に性暴力を受けて、トラウマで男性の機能不全を起こしてしまっているとか、男色を好む気持ちに変化したとか…。」


 麻友は過去の苦い女性経験などを聞いて来たが見に覚えの無い事のため、首をブンブンと振ってみると、


「では、私がこの世にいないと仮定して、紫音様が優樹さんとお付き合いがしたいと言われた場合、あなたはどう思われますか?」


 次に彼女は紫音に告白されたら、普通はどうするのかを聞いて来たので、


「紫音さんは素敵な女性ですから、断らずに受けると思います。ただ、今は麻友さんの方がものスゴく魅力的な女性だと感じているので、両方からアプローチされると麻友さんの方を選んでしまうと思います。」


 一度、麻友を失いそうになった思いを受けた僕は彼女以外の女性には、しばらくはドキドキしないと本音を話した。


「ふふっ、余計な情報まで教えて下さって、ありがとうございます。優樹さんは私が大好きなんですね…。だいたい、分かりました。紫音様、優樹さんにあなたの秘密を話してもよろしいでしょうか?」


 麻友は質問を終えたあと、抱えられてままで、何の反応も無い紫音へ問い掛けるが、グッタリしてて、反応が無い。


「可哀想な紫音様、尻尾が無くなってしまったのが、よほど、ショックだったのね…。紫音様もこの件に関しては、本人の許可が必要ですし、後日に致しましょうか。」


 紫音の反応が無かったため、秘密の話は後日と言う事になってしまい、そのままの状態の彼女を白河さんの家へ連れて帰ると…、


「紫音ちゃん!どうしたの!何があったの!」


 紫音の義母の未央が尻尾の無い娘の事に驚いてしまい、パニックを起こしていると、その声に反応した紫音が目を覚まして、


「あれ?私…いつの間に家にいるんだろ…。あっ、麻友が送ってくれたの?ありがとう…。」


 どうやら、紫音は尻尾を抜かれた前後の記憶が無いらしく、麻友が自分を運んでくれた事に感謝していた。


「大変でしたね、紫音様。尻尾を無理矢理抜いた、あの極悪女教師からお救いしなければ、もっと、大変な目に遭う所でしたよ?」


 麻友は尻尾を抜いたのは上本先生だと伝えて、自分が先生から紫音を救いだした人間だと嘘を付いていたので、さすがの僕もその嘘はダメだと言おうと麻友と紫音の前で、声を出そうとすると、


「さあ、優樹さん。紫音様の尾骨はこの辺りですから、指で押して…尻尾を再生させてあげて下さい。」


 麻友は紫音のスカートのチャックをずらしたあと、僕の手を取ってお尻の上にある尾骨に手を当てさせると、そこにある尻尾の先を引っ張れと言われたため、言う通りに引っ張るとフサフサの尻尾がフワッと飛び出してきた。


「わぁ~、前よりもツヤツヤだ~。ありがとう、優樹くん。」


 紫音から新しく生えてきた尻尾は新品のような毛並みで艶やかだった。それに、そんな見た目よりも重要だったのは…、


「紫音様は今朝からおかしな行動ばかりでしたから、気持ちが不安定だったのでしょう。だから、あの女教師も昨日から無駄に絡んで、尻尾の生え代わりの時期だと促していたし、私もすぐに気付きました。まあ、妹と優樹さんには伝わりにくい変化だったのかもしれませんね。」


 麻友は朝からの紫音の変化とやる気や集中力の欠如を尻尾の毛づやの悪さで気付いたと明かしてくれた。


「優樹さんも私の変化にいち早く気付いて、妊娠しやすい日には、いっぱい私を愛して下さいね。」


 そして、僕の手をそのまま自分のお尻の尾骨に持って行って、


「私の尾骨はここですが、私の場合はそこよりも下を撫でてもらえると嬉しいので、愛して下さる日はぜひ、お試し下さいね…。」


 彼女はお尻の少し下を触らせながら、艶のある声で僕を誘惑し始めると、


「麻友、そう言う事を私の家でやらないでよ。そんなのを見せられたら、ウチの未央お母さんがムラムラして、お父さんを襲っちゃうじゃない。」


 新しい尻尾が生えて、すっかりと元気になった紫音に麻友は叱られていた。まあ、紫音の言う通り、若いラブラブカップルの少しエッチなスキンシップ見せられた紫音の母親はすぐに愛する夫の元へ駆け出して行った。その後の事はすぐに紫音の家を出た僕や麻友にはよく分からないが、紫音は母親の行動に少し困らされたと思っておいてもいいだろう。



 今日は家にいるからと言っていた紫音を送り届けた僕と麻友は、他に用事も無いため、まっすぐ、自宅に帰って行くと、母さんが帰宅していて、


「お帰り、優樹。お母さんね、男の子の新人研修をしてたんだけど…、その男の子にコクられちゃった。私は40代中頃のおばさんで、夫と高校生の息子がいるのよって、言ってもね、我慢出来ないって言われたの。こんなおばさんを捕まえて、20歳も下の男の子が本気で好きになってくれるなんて…、若返って、男の子って若い体目的なのが、よく分かったわ。」


 10代に若返った僕のお母さんがいつもよりもテンション高めで、若ければ、母親でもモテますアピールをしてきたあと、


「でも、やっぱり、告白されるなら、優樹の方が良いわ。若い頃のお父さんにそっくりだもん。」


 愛が重い彼女の影響を受けた僕の母親は、かなり愛が重い母親になっていた。

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