丹波悠一の所見2

中野あかねが自首してから一か月。

当初上層部は管轄内での連続殺人事件が早期に解決できそうだと胸をなでおろしていたが、今は焦っている。

調べれば調べるほどわかってくる矛盾。

そう


1つ目と2つ目の事件ではそもそも中野あかねにはアリバイがある。

最初の事件では彼女は一泊二日の勉強合宿で栃木にいた。こっそり夜中に抜け出していても足がない。

次の事件では彼女は流行り病で入院していた。こちらは抜け出そうと思えば不可能ではないが監視カメラに映らず出入りするには3階の窓からしかなく、そのうえ常駐の看護師にも見つからずとなると1時間足らずで事を終える必要がある。


次にこれも当局にとって不利な証拠になるが、最後の殺人で使われた凶器が前の物とは別物だった。出刃包丁とサバイバルナイフ。これに関しては2つの殺人で刃こぼれしてしまい凶器を新調したとも考えることは出来る。しかし中野あかねは購入ルートを答えることが出来なかった事実。

いったい

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