第3話

コトちゃん!コトちゃん!コトちゃん!


まだ心臓 ばくばくしてる

うわーーー

タカハシだよ、ついに会えたよ


現実だよね、これ

いつもの妄想の世界みたいだよ

コトちゃん、これ、現実だよね

こんなにうまくいっていいのかな


ね、やっぱりコトちゃんって

しゃべれないだけで、あたしの言ってること

わかってるんじゃないの?

どう考えてもあれは助け船だよ

違う?


コトちゃん

ナイスなタイミングでひょっこりパーカーから顔出してさ

タカハシにかわいーとか言われてさ

「おまえ、猫飼ってんの?」

って言われなかったら、会話が続かなかったよ


いつもどおり、おう、で終わってたかも

その次の言葉ってでなかったと思う


でも、まさかタカハシが猫カフェに行きたいから

一緒に行ってくれないかって

あたしを誘うなんて思わなかったよね

猫飼ってるなら猫好きなんでしょって


あいつが言うとおりさ

地味な30男が一人で猫カフェ行って

じっと猫見てたら、ちょっと目立つよね

絶対居心地悪いよ


もうちょっとで、猫、ゆっくり見たいならうちに来る?

って誘いそうになったけど

さすがにね、おばあちゃん早合点して

彼氏できたってお赤飯炊いちゃうかもしれないからやめたよ


一人暮らしならまだしも

おばあちゃんと住んでる家にご招待なんてさ

相手もびっくりだよね

でも、タカハシ、おばあちゃん、元気にしてる?

って聞いてくれた

覚えててくれたんだね

嬉しかった


コトちゃん、ほんと感謝だよ

あんた、人見知りするくせに

タカハシには、にゃーなんて言っちゃって

あんなかわいい声でにゃーなんて言ったら

猫好きじゃなくても、落ちちゃうよ


タカハシ、あたしの記憶の中より小汚くなかったよ

もっと、なんか髪長くて無精ひげじゃなかったっけ?


暗くてさ、ザ・オタクってかんじだと思ってたのに

今日は普通の人だったよね?

どっちかっていうと、あたしのほうがニートっぽかった


夜中のコンビニって思ってたから油断してた

そうだよ、あたしの目的はタカハシとデートして

その後はエッチなことまでしちゃうっていう

壮大な計画があるんだから

タカハシをその気にさせないといけなかったのに


しまった・・・


パーカーにスエットなんて恰好で夜中にうろつくんじゃなかった

あーーーー

もう遅いよね


週末の猫カフェにかけるよ 

でも、なんで猫カフェなんだろうね


まぁ、なんでもいいよ

人生初のデートだよ


はやばやと目標達成しちゃった

我ながらすごい

やる時はやる女、だよね


どうする?次の作品は、猫カフェから始まる大人の恋愛にする?

ふふふ

猫カフェデートがうまくいったら、次はどうすればいいんだろ


LINEの交換はしたから、連絡はいつでもとれるでしょ

でも、デートの時に次の約束もしておきたいなぁ


ちょっとガツガツしすぎかな・・・

いや、もう時間がないし


二人きりに持ち込むには

旅行・・・

いやいや、ないない

初デートで旅行誘うってどんだけ焦ってるのよ

やりすぎだわ

引かれるわ

とりあえずは、猫カフェ、全力で頑張る


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