ノッチが人生イチ楽しそうにしていますわぁ。もちろん女性陣の2人も

普段から、移動日などで時間が空いたとなれば、オンラインで一緒にプレイしているノッチも今日はお呼ばれ。



彼は俺がいない時も、ゲームの生配信を度々やっていますから、こんなお仕事が決まったとなった時は、今年打った2本のホームランの時より嬉しそうにしていた。



もう、冒頭のトークで軽く泣いちゃうくらい。



さらに、顔は出ませんが、俺たち2人の師匠でもある、あねりんとたこ焼き屋のあかりんも普段から一緒にやっていらっしゃるならと電撃参戦。チームタコヤキ結成。




さらに……。




「今日は午後にプロ野球の表彰式がありまして、その兼ね合いで応援ゲストとして、大阪ジャガースの勝星翔選手もいらっしゃるんですが……。この後、チームタコヤキ対製作陣チームで5対5のチームデスマッチをやる予定なんですけど、すみません!


製作陣チームの1人が、ちょっと奥様が予定より早めに産気づいたという連絡がありまして……」



というわけで、本来タコヤキチームに入り、サポート役をするディレクターが製作陣チームに入る。


代わりにこのゲームのプレイ経験のないショー君をタコヤキチームにぶっ込み、プロデューサーが司会をしながらサポートに回るという布陣が説明され、早速プレイする運びとなった。




まずはトレーニングモードで、新要素、新キャラ、新武器、新ステージの感触を確かめる。



ゲーム機とモニターがズラッと並んだデスクに、マイク付きのヘッドフォンを装着してコントローラーを握る。



「新井さん、いかがです?」



「そうですね。今作から、ポイントの入り方が変わったんですよね。味方を回復したり、キル数やアシスト数だけでなくて、ダメージを入れることでもポイントが入りますから、場合によっては、僅かなポイントを狙って細やかなプレイが必要になりますね」



「北野さんはどうです?」



「前作とは偵察機や戦闘ヘリを出せるスコアポイント今までと大きく変わっているんですよね。その辺りも計算に入れながらプレイしていきたいですね」



俺の隣に座るあねりんが付け加える。



「さらに今作は、アシストポイントの倍率が増えていますから、尚のこと味方と連携する考えが大切になりますね」



ついでにあかりんも………。



「個人ポイントではなく、チーム全体にも連キルや拠点制圧時などに増えるスコアポイントが別枠でありますから、それで得たストリークをいつどのタイミングで使うかという判断も大切ですよ」



俺とノッチが師匠と謳う2人の的確な解説と分析に、製作陣からおおーっ!と、驚いたような声が上がった。




「勝星さんは、初めてプレイしてみて、いかがですか?」



「このグレネードランチャーを使えるキャラクターいいですね!!さっきから新井さんを倒しまくってますよ!」



「おい、ショー!!倒されてあげてんだよ!!」




「「ギャハハハハ!!」」




「さすが同郷のおふたり!いいコンビネーションですね!では、ぼちぼち慣れてきたところで、5対5のチーム戦と参りましょうか」



ステージは、中東の山岳地帯。起伏のある斜面に、コンクリートの無機質な建物が複数ある中規模面。



建物の中と外。両方の特性や戦い方を頭に入れた上で、いかに相手より高い位置にあるポジションが取れるかがカギである。




「うおおおっ!!」



チームタコヤキの先陣はノッチである。小回りの利くサブマシンガンを抱えて、積極的に中央の建物の中へ。



ズガガガガッ!!



得意の近距離戦に持ち込み、まずは1人を撃破。しかし、すぐ2人目に撃ち返される。


それを俺がカバーする。


敵目掛けて、目眩ましボールを投げ込んだのだ。


それがパチンと弾け、建物の中は一瞬真っ白に。そして俺のモニターには当たり判定である矢印が左と真ん中に出た。


「コンカヒット!!真ん中、左!2枚いる!!真ん中やった、真ん中やった!」


「左詰めます!!」


コンカッションを投げた後に、正確なエイムで1枚抜くと、すぐさまあねりんが左の通路から下がろうとする3人目を追いかけた。



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