まだこのビッグバストを諦めていませんわ!

そんな同級生の女の子がスポーツ雑誌の記者になり、プロ野球番になって、ビクトリーズの担当になり、俺の記事を日本一たくさん書いた存在になった。



それだけでは飽き足らず、みのりんが執筆した書き物の担当編集になり、トータルで50万部に届こうとする4コマ漫画、お隣の新井さん。の監修も務めていて、俺のおかげでそこそこいい暮らしが出来るようになった1人だである。



そのめぐみんも、グリグリ眼鏡を掛けているだけあって、ゲームなどの知識も明るい。


もみじちゃんがゲーム機を持ちながらべったりマークして、攻略に生きる情報を教えてもらっているわけだ。



みのりんはもう20分前からキッチンにて鬼神の如く鍋を振り回しており、結婚3年目のギャル美もそこに合流。



俺はかずちゃんを抱っこしながら、きゃらめるとにゃんこと一緒にソファーに座り込んで、1週間遠征でしたから、録り貯めていたバラエティ番組を楽しんでいた。




すると………。




ピンポーン!!




呼び鈴が鳴った。



「時くん、おねがーい!ビッグゲスト!!」



俺はみのりんの声を聞いて玄関に向かう。ドアを開けるとそこにいたのは、大きなキャリーバッグを転がしたポニテちゃんの姿だった。



「お久しぶりです!新井さん!」



まるで太陽のように弾ける笑顔と、胸元がはち切れんばかりのTシャツ。



確かにビッグゲストですわ!






「わ~!この子がかずひと君ですね!かわいいですね~!」



ポニテちゃんはほんのりと甘い香りを放ちながら、俺に抱っこされるかずちゃんの顔を覗き込んだ。



「ようこそ、さやかちゃん。久しぶり過ぎて驚きましたわよ」



「みのりさんから、聞いてませんでした?さっきフランスから帰ってきたばかりなんですよ!」



フランスから帰ったばかり。カッコいい響きですわね。



「広い玄関ですね!キャリーケースここに置いといても大丈夫です?お手洗いをお借りしても?」



「おう、いいよ。おトイレはあっちね」



「どーもです」



ポニテちゃんがリビングに現れると、めぐみんとヤキューバンをしていたかえでと、テレビにゲームをセッティングしていたもみじが、彼女の腰に抱きついた。



「わ~!さやかちゃんだ~!」



「いつの間にかいた~!」



ギャル美とめぐみんの時同様、ずいぶんと懐いておられるようで。俺がバタンキューしていて、生まれたばかりの頃から面倒見てもらっていたらしいから、それに関しては頭が上がらない。



「みのりさん、マイさん。こんばんは!いい匂いがしてますね!!」



「さやちゃん!お帰り!もう出来るから待っててね」



「あらー、さやか!長旅お疲れ様!ビール冷えてるわよ!」



「はい!ありがとうございます!私もお手伝いしますね!」



今日のメニューは、わたくしがリクエストしたものが通ったようで、棒々鶏、青椒肉絲、麻婆豆腐、エビマヨ、水餃子に春巻き、カニチャーハンにミニラーメンとまさに中華三昧。



みのりんとギャル美が料理を仕上げ、ポニテちゃが取り皿や飲み物を用意し、めぐみんは食卓に並んだ料理をカメラに収めていた。どうやら漫画の資料にするみたい。



「ふー。時くん。かずちゃんありがとう。先食べてて」



「おう。じゃあ、よろしく!」



「おとう!エビマヨ食べたい!!」



「パパ、マーボー取って!」



「はいよ。ちゃんとお野菜から食べてな」



「もみじちゃん、マーボーは取ってあげるッス!!」



「ありがとう!!」



いつにも増して、賑やかな食卓。大きなダイニングテーブルに椅子を並べ、これでもかと用意された美味しい料理とお酒。おこぼれを頂けないかと、ワンコとにゃんこがテーブルの周りを徘徊している。



中でも気に入ったのは、水餃子。トゥルンとしたモチモチの皮の中には、肉肉しい餡がぎっしり。スープに入れても美味いし、細かく刻まれたネギが散ったこゆい醤油ダレに浸けても美味い。



高級スーパーで買ってきた1缶1500円のカニ缶を空けて、チャーシューと一緒に炒めたチャーハンとの相性はグンバツだ。



もちろん、他の料理も絶品。




みんなの前なのに、思わずみのりんの頭を優しく撫でてしまったのだった。








「ところでさ、めぐみさん。来月分のネームだけど………」



「新井さんが本格的に4割打者という記録に挑戦する段階ッスね」



「そーそー。ちょっとまえにみのりとも話したんだけど、今って野球部分とそれ以外の部分が4対6くらいじゃん?最後、シーズン最終戦にサヨナラヘッドスライディングして4割決めるところまでは野球部分だけでいいと思うんだよね」



「なるほど~。しかし、みのりさんのご飯とかしょうもないやりとり部分も結構読者から好評ッスからね~。こちらとして、その部分は間に挟みたいんスけど~」



「私も野球に集中する形でいいと思うけど、クラブハウスとかベンチ裏で、鶴石さんとか高田さんとのやりとりが面白いからそれは入れた方がいいかなと」



めぐみん、ギャル美、みのりんの3人は、そんな様子でお仕事の話をし始めたので、俺はかずちゃんをゆりかごチェアに移して横に居て貰いながら、ポニテちゃん、双子ちゃんと達と2チームに分かれてミラプロで遊んでいた。



パワフルなホームランあり、豪快な三振あり、華麗なゲッツーもあれば、最近の野球ゲームでは誤審やリクエストもある。



今のセーフじゃないよね?と、かえでと相談してリクエスト、1塁の判定がアウトに覆り、最後はセーフティスクイズでサヨナラゲームになるなど、大いに盛り上がった1日になった。




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